学校日記

【6月24日】へいわ

公開日
2022/06/24
更新日
2022/06/24

Kのつぶやき

 昨日、沖縄県では「慰霊の日」を迎え、最後の激戦地となった糸満市の平和記念公園では、沖縄全戦没者追悼式が行われました。式の中で、沖縄市立山内小学校2年の徳元穂菜(とくもとほのな)さんが、一言一言をかみしめるように「こわいをしって、へいわがわかった」という自作の詩を朗読しました。

びじゅつかんへお出かけ
おじいちゃんやおばあちゃんもいっしょに みんなでお出かけうれしいな
こわくてかなしい絵だった たくさんの人がしんでいた 小さな赤ちゃんや、おかあさん
風ぐるまやチョウチョの絵もあったけど とてもかなしい絵だった
おかあさんが、七十七年前のおきなわの絵だと言った
ほんとうにあったことなのだ たくさんの人たちがしんでいて ガイコツもあった
わたしとおなじ年の子どもが かなしそうに見ている
こわいよ かなしいよ かわいそうだよ
せんそうのはんたいはなに? へいわ? へいわってなに?
きゅうにこわくなって おかあさんにくっついた あたたかくてほっとした
これがへいわなのかな
おねえちゃんとけんかした おかあさんは、二人の話を聞いてくれた そして仲なおり
これがへいわなのかな
せんそうがこわいから へいわをつかみたい ずっとポケットにいれてもっておく
ぜったいおとさないように なくさないように わすれないように
こわいをしって、へいわがわかった

 毎日新聞の記事によると…
 徳元さんは毎年、「慰霊の日」に家族で糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園にある「平和の礎(いしじ)」を訪れる。沖縄戦で亡くなった曽祖父将保(しょうほ)さんの名が刻まれた碑の前に折り鶴や手紙を置き、手を合わせている。
 祖父の将己(まさみ)さん(77)は生まれた直後に父の将保さんを失った。今も見つからない遺骨を探す。徳元さんの母千鶴さん(41)は「平和の礎で寂しそうに手を合わせる祖父の姿を見て、何かを感じ取ってほしかった」と語る。
 新型コロナウイルスの感染が拡大していた昨年は6月20日に平和祈念公園を訪れ、その後に宜野湾市の佐喜眞美術館へ行った。徳元さんは展示されている「沖縄戦の図」(作:丸木位里・俊)の前で、恐怖に身をすくめた。惨劇を描いた絵の中央で、正面を見つめる同じ年代の子どもに目を留め、「悲しそうにこっちを見ている。子どもだけでお母さんがいない」と千鶴さんにしがみついた。
 母に触れた時のぬくもりに「これがへいわなのかな」と感じた。「世界中の人たちが仲良くなって協力すること。戦争がいけないことだと強く思ってほしい」と願う。

 徳元さんは、沖縄戦のことを伝えていくため、もっと勉強し、知りたいと考えており、「みんなにも、平和って何か考えてほしい」と取材された記者の方に答えていたそうです。徳元さんの、前をしっかりと向き、ゆっくりと、そして切々と伝える姿に胸がじーんとしました。
 「平和ってなに?」。戦争は絶対にいけないけれど、戦争がなければそれでいいのか?安心して暮らせない、人を平気で傷つける、人を大切にしない…それもおかしいことです。人があたたかく安心して暮らせる世の中。人を大切にする世の中にしていくために、みんなが「平和」について考え、そのためにも一人一人が小さな努力を積み重ねていかなければと思います。