学校日記

【8月1日】誇り

公開日
2022/08/01
更新日
2022/08/01

Kのつぶやき

 あっという間に8月になりました。新型コロナウイルスの感染拡大は続いています。子どもたちそれぞれが、感染対策を継続しながら充実した夏休みを過ごしてほしいと思います。
 さて、突然ですが、8月6日から甲子園球場で行われる「全国高校野球選手権大会」の奈良県大会決勝のことです。決勝は強豪「天理」と県立高ながら準決勝で強豪「智弁学園」を破った生駒高校。結果は、「21対0」で天理が優勝したのですが、そのことに関する記事が日刊スポーツのネットニュースに載っていましたので紹介します。

 天理の中村良二監督(54)が決勝を戦った生駒を思い、生駒への教え子の心遣いに成長を感じ、涙にくれた。ドラフト候補の戸井零士主将(3年)の4安打3打点や、松本大和内野手(1年)の本塁打など23安打21得点で大勝。エース南沢佑音(ゆうと、3年)ら4人の投手で生駒打線を無得点に封じ、5年ぶり29度目の夏の甲子園出場を決めた。
 ただ試合後、天理ナインはマウンドに集まって優勝を喜ぶことをせず。相手校の生駒に体調不良の選手が続出し、ベストメンバーで臨めなかった事情に配慮。9回2死、選手だけでタイムを取ってマウンドに集合し、主将の戸井が「試合後に喜ぶのはやめとこう」と提案。ナインも受け入れた。生駒の最後の打者から空振り三振を奪ったエースの南沢佑音(ゆうと、3年)は右手のこぶしを握っただけで、すぐに整列した。
 その姿も、普段から涙もろい中村監督の涙腺を緩ませた。球場到着後、騒然とした球場内の雰囲気で生駒の異変を知ったという。「選手には勝負事は手を抜く方が失礼なんで、全力で戦えと話して試合に入りました」と明かし、「3年生も含めてスタンドもベンチも喜びたかったと思うんですが、子どもたちもそれを察してくれたのか…」と、そこまで話して言葉が詰まった。
「そういうところがすごく成長したかなと。まわりのことも考えてやれるようになったんだなと。たぶん、わーっと喜びたかったんだと思うんですけどね、優勝したんやから」と、教え子の相手校への心遣いに目を潤ませた。主将の戸井も「ベストのメンバーじゃないことが試合前にわかっていた。試合の中では正々堂々とやるのが戦う上で大事なことですが、終わったあとは自分たちの中でも喜びをいったん抑えて整列しようと話しました」と明かした。伝統校らしく、相手への気遣いも奈良県王者にふさわしいものだった。

 生駒高校の選手は12人ほどがコロナ感染の疑いがあり、レギュラーで出場できたのは3人だけで決勝に臨んだそうです。それでも、手を抜くことなく正々堂々と戦う両校。そして、生駒高校の部員たちの「思い」を察し、大量リードの9回2死で自分たちでマウンドに集まり、喜びを抑えることを確認しあう天理高校の選手たち…。その選手の成長に涙する監督。なんだか、その姿を想像するだけで、胸がじーんとしました。野球を通して「人として大切なこと」をしっかりと学んでいる選手たちだからこそ、「優勝」できるのだろうと思います。
 また、最後まで全力を尽くした生駒高校の選手に「おまえらよかったよ!」「ありがとう!」などとスタンドから声援がとんでいたそうです。これもまた、生駒高校の選手たちの全力プレーとその頑張る姿が見ている人を感動させたからだと思います。お互いが相手に敬意を払い、フェアプレーで全力を尽くす。これこそがスポーツの素晴らしさだと改めて思います。
 今年の夏の大会、高校野球だけでなく、中体連大会やコンクール等においても残念ながらコロナの影響で出場できなかった子どもたちがたくさんいます。悔しくて悔しくてたまらなかったことと思います。しかし、彼らがこれまで頑張ってきたことにかわりはありません。決して消えることのない「頑張りと努力」なのです。ですから、これまでの頑張りに「誇り」をもってほしいと思います。人生はこれからまだまだ続きます。すべての子どもたちが、これからも常に最善を尽くすことを心がけ、次の目標へ向けて努力を続けてくれることを願います。
 突然のひとりごとでした…