学校日記

【8月17日】敬意と感謝

公開日
2022/08/17
更新日
2022/08/17

Kのつぶやき

 一昨日15日は「終戦の日」。終戦から77年経ったこの日、全国戦没者追悼式が日本武道館で行われ、改めて戦没者を悼み不戦の決意を新たにした方も多いと思います。そんな中でも、ロシアによるウクライナ侵攻は続いています。昨日の西日本新聞に九州在住のウクライナの方のことが載っていました(一部抜粋要約)。

◆12歳で日本のアニメに出会い、留学にお焦がれたルスラーナ・コニコバさん(21歳)。2月に始まったロシア軍の侵攻。「核兵器が使われて、気がつく間もなく死んでしまうかもしれない」。授業で学んだ長崎、広島への原爆投下の恐怖を思い出しながら、両親と東部の町から避難。父は「お母さんを頼んだぞ」と言って国内にとどまり、母親と二人でチェコに逃れた。外国で言葉にも苦労する母親を置いて日本へ留学なんていけない、そう思い一度は留学をあきらめた。しかし、「あなたの夢なんだから行きなさい」と母親が背中を押してくれた。
 3月下旬福岡に到着し、日本経済大で寮生活をしながら学んでいる。「もっと日本語を勉強し、福岡で仕事をしたい!」とアルバイトもしながら頑張っている。両親とはオンラインで連絡を取り、無事を確認する毎日。ふるさとは駅が破壊され、実家の近くに爆弾が落とされた。
 ロシアがクリミアを編入した2014年頃から「いつか全土で戦争が起きるのでは…」と覚悟していた。高校では男子は銃の組み立て方、女子は応急処置を学んだ。級友と戦争や世界情勢を語り合った。それに比べ、普段接する日本の学生とは「あまり話題にならない」と感じる。日本は軍隊を持たず、戦争を放棄している…。記者が説明すると「尊いこと」と共感し、目をまっすぐ見て、願った。「世界中から軍隊や核兵器がなくなってほしい」
◆「今度の戦争を『世界で最後の戦争』にしないといけない」。長崎県佐世保市のハウステンボスを舞台に、歌手活動を続けるパシコウスキー・アレクさん(36歳)は言葉に力を込めた。来日8年目。母親ら親族4人を6月に迎えいれたが、父親は国に残った。同市の長崎国際大が受け入れた18歳の男子学生から「建物が破壊され、遺体が横たわる中を逃げてきた」と聞き、胸が締め付けられる思いがした。…(中略)…
 侵攻当初は「幼い子どもまで亡くなっているのに、安全な日本で歌っている」と申し訳ない気持ちになった。でも、今は違う。「母国の現状、平和の大切さを歌で伝えるのが私の使命」
15日もステージに立った。観光客と盛り上がれるのも平和なればこそだ。「家族や友人がそばにいることが、いかに幸せか忘れないで」。心の中で客席に呼びかけた。

 命の尊さ、平和の大切さ、戦争の醜さ・恐ろしさ、そして日常の当たり前の素晴らしさ…そんなことをたくさん考えさせられる8月。
 甲子園では様々な人たちの熱意と配慮や頑張りで高校野球が行われています。
 先日のひとりごとにも載せた奈良大会決勝戦天理高校対生駒高校の話。コロナの影響で多くのレギュラー選手が出場できずに戦った生駒高校への「敬意」を忘れなかった天理高校の選手たち。その思いは、生駒高校の選手・スタッフをはじめ、保護者にも伝わりました。テレビを観ていたら、天理高校野球部への感謝を伝えるため贈られた「横断幕」が甲子園のアルプス席に掲げられていました。そこには『つなぐ心ひとつに 天理高校野球部』。下に小さく『生駒高校野球部一同』の文字が…。私は思わず、目を見張り、胸が熱くなりました。
 その思いも背負いながら戦った天理高校野球部。スタンドに来ていた生駒高校野球部3年生の応援もありましたが、残念ながら負けてしまいました。しかし、その姿、姿勢は立派でした。

 様々なことを考えさせられる8月。簡単ではありませんが、相手への「敬意」や「感謝」、何よりすべての人の命を大切にする気持ちが世界中でつながっていくことを心から願います。私も子どもたちに、命と平和の大切さをこれからも伝えていきたいと思います。