学校日記

【9月20日】ひとりじゃない

公開日
2022/09/20
更新日
2022/09/20

Kのつぶやき

 台風14号が猛威をふるい、地域によっては大きな被害をもたらしました。改めて、災害に対する「備え」の大事さを痛感するとともに、どうにもならない自然の怖さを知ることになりました。まだまだ、10月くらいまでは、このような台風が発生することも予想されるという報道を聞きながら、備えと対策を考えておかなければと思います。

 さて、話はまったく変わって…
 日本教育新聞に愛知県瀬戸市立にじの丘小学校長の渡邊康雄先生のコラムが載っていました。内容は、15年前に愛知から大阪まで約200キロを自転車で行かれた話でした。地図では読み取れない坂道が大きな負荷となり体力を奪ったり、向かい風や体温を奪う雨に悩まされたりしながらも、道路標識の大阪までの距離数が徐々に減っていくことをモチベーションにして、目的地をひたすら目指されたとのこと。しかし、一番自分自身を奮い立たせてくれたのは、日本人学校で勤務していたときの教え子と大阪で会う約束があったから。以下、原文を載せます。

 いつでも連絡をとれる時代なので、リタイアしてもさほど迷惑をかけることはない。しかし、自分を待ってくれている人がいるということは、何事にも代えがたい支えとなった。
 スポーツ選手が、「支えてくれた方たちのおかげで、このような結果を出すことができました」と感謝を伝える場面がよくある。逆に、こうした感謝の心がなければ、いい結果は出せなかったのではないかとさえ思っている。自分たちのためだけに頑張るなら、結果が出なくとも自分が我慢すればいいだけである。しかし、支えてくれる人たちの思いを心で受け止めたとき、その人たちに喜んでもらいたいという気持ちから、自分の持っている以上の実力を発揮できるのではないだろうか。
 学校では、目の前にいる子どもたちの言動に一喜一憂し、ついついそこで完結しがちである。しかし、子どもたちが成長するということは、その子どもたちを見守ってくれている家族や地域が笑顔になるということ。また、その子が今後出会うであろう人を笑顔にするとこにもつながる。教育はすぐに結果が出るものではないが、そんな想像力を働かせ、たくさんの人を幸せにできる仕事であるという誇りを持ち続けたい。

 上のコラムのタイトルは、「“待つ人がいる”と実力以上の力に」と書かれていました。応援してくれる人がいる。信じてくれる人がいる。それって、大人であれ、子どもであれ関係なく嬉しく幸せなことです。そのことが、“力”や“エネルギー”となって乗り越えられることがたくさんあります。私たちは決して一人ではない。一人では生きられない。たくさんの“おかげ”で生きている、生かされている。
 自分の“頑張り”や“努力”によって、誰かが笑顔になってくれたり幸せな気持ちになったりすることは本当に幸せでありがたいことです。押しつけでも何でもなく、自分の言動によって、誰かが勇気や元気が出るとするならば、これほど嬉しいことはありません。
 子どもたちにも「自律貢献」の精神で、毎日を生き生きと生き抜いてほしい。すぐに結果の出ない私たちの仕事かもしれないけれど、子どもたちと共に成長し続け、子どもたちと共に伸びていく教師でありたい。10年後、20年後…、関わった子どもたちがさらに成長し、社会で活躍する、これからの日本を笑顔にし元気にする源となってくれるような社会人となってほしいと切に願います。そのためにも私たち教師は、感性豊かに、情熱をもって子どもたちと関わり、常に学び続ける教師でありたいと思います。

 “待ってくれる人がいる”、“信じてくれる人がいる”“応援してくれる人がいる”…これらは私たちの“力”の源です。たくさんの人たちに支えられていることに感謝をしながら、一日一日を大切にしたいと思います。