【12月21日】学び続ける
- 公開日
- 2022/12/21
- 更新日
- 2022/12/21
Kのつぶやき
東洋思想研究者の田口佳史さん著『超訳 論語 「人生巧者」はみな孔子に学ぶ』に「飽くなき探究心を育てる」というところがあります。
『學は及(およ)ばざるが如(ごと)くするも、猶(な)お之(これ)を失わんことを恐(おそ)る』
不思議なもので、学べば学ぶほど、なお学び足りないものが見えてくる。その学習意欲のままに、飽くなき探究を続けなさい。同時に、一度学んだことは忘れないよう心がけるのも大事なことだ。
私が中国古典を学び始めたのは、二十代も半ばを過ぎたころのこと。いわゆる「後学の徒」だ。そのために、同じ分野で仕事をする人の三倍も四倍も学ばなくてはならなかった。
しかし学んでも学んでも、知識が増えはしたが、それ以上に「もっと学びたい」と思う事柄が増えていったような気がする。これがおもしろい。楽しい。いつまで経っても、学び尽くすことができないからこそ、向学心を保つことができたのだと思う。
仕事でも趣味でも、その世界を極めようとすれば、「もっと知りたい」「もっと上達したい」という思いが衰えることはない。それどころか、ますます意気盛んになるだろう。
そんな「飽くなき探究心」は、何かを学ぶことから生まれ、育つものである。興味引かれるものと出会ったら、とにかく学んでみることが出発点になる。
私は以前にもふれましたが、このひとりごとを始めてからというもの、毎月たくさんの本を買って読むようになりました。それだけでなく新聞や雑誌のコラムや記事も注意深く見るようになったし、ニュースなどにも今まで以上に敏感になりました。そのおかげで、今まで知らなかったことやわからなかったことが少しずつわかるようになりました。それと同時に、いかに自分自身が不勉強で、知らないことが多いのかを思い知らされています。ですから、もっともっと学ばなければと思います。もちろん、一生かかってもすべてを学び尽くすことはできませんが、よりたくさんのことを学ぶことで、自分の視野が少しずつ広がっている気がします。そして、学ぶことで、多様な考えも知ることができ、自分の考えが広がったり深まったりしていくと思います。コロナをきっかけに始めた「校長のひとりごと」ですが、コロナがあったからこそ、当たり前の有り難さや当たり前を見直すきっかけになったことは言うまでもありません。
私の母が昔、「起こることに意味のないことはない。すべてそこには意味がある」と言っていました。いいことでも悪いことでも、しっかりとそのことと向き合い、考え、その後、どのように行動していくかが大切だと教えてくれました。「感謝、感謝」が口癖の母。つらいときも笑顔を絶やさなかった母が、そのことを教えてくれました。
まだまだ、コロナ禍の終息は見通せません。それでも、ひたむきに私たちは学び続け、前向きに物事を考え、志をもって行動していきたいと思います。
2学期も今日を入れてあと3日、そして2022年もあと11日となりました。子どもたちも私たち大人も、今年を振り返りつつ、素晴らしい締めくくりができればと思います。