学校日記

【2月6日】メロディー

公開日
2023/02/06
更新日
2023/02/06

つぶやき

 永松茂久さん著『言葉は現実化する』の中に、「誰もが言葉に支えられながら生きてきた」というところがあります。そこにこんなことが書かれています。

 この本の執筆中、ふと音楽が聴きたくなり、動画サイトで大好きな玉置浩二さんの「メロディー」という曲のページを検索しました。たまたま私が開いたのは数多くアップされた「メロディー」の中で、玉置さんがライブで歌っている映像でした。その中で玉置さんがこんな話をしました。
 「みんな生きていれば、いろんな悲しいことや逃げたくなることもあります。そんなとき、音楽がいつもそばにいて、いつも私たちを癒やしてくれます。そう考えると、音楽って優しいなって思うんです。つらいとき、いつもそばにいてくれる音楽たちに、感謝の気持ちを込めてこの歌をつくりました。それが『メロディー』という曲なんです」
 この言葉に感動しました。音楽はいつも優しい。その通りだなと思いました。そして音楽には音と同様、大切な存在があることに気がつきました。それが言葉です。言葉である音符を並べると、トークになります。トークとは、つまりあなたが織りなすメロディーなのです。
 人はきれいなメロディーを好みます。金切音や雑音混じりのメロディーは聴き心地が悪いのです。大スターシンガーの玉置さんと私では比べるべくもありませんし、立っているステージに雲泥の差がありますが、玉置さんの言葉を聞いて、一人で勝手にメッセンジャーとして玉置さんと同じ立場にいるんだと気合いを入れる自分がいました。我ながら幸せだなと思いました。
 人間の歴史は言葉ととともにあります。つらいときも、悲しいときも、うれしいときも、平坦に過ぎていく日常の中でも、私たち人間は言葉とともに歩いてきました。特に日本人は世界でもまれに見る、言葉を大切にしてきた民族の一つです。行間を読むという文化、わびさびという文化が存在するのは世界中で日本だけです。言葉はたったひと言で私たちを幸せにしてくれる力をもっています。いつの時代も私たちの心を照らしてくれるのは言葉なのです。私たちが生まれるはるか前から、人は言葉を紡ぎながら人生をつくってきたのです。そう考えるととどんなときでも言葉は優しいのです。…(後略)…

 久しぶりに手にとり、たまたま開いたページが上の内容のところでした。私は、大学時代に友だちとバンドを組んでやり始めたのが玉置浩二さんがボーカルの安全地帯でした。初めて行ったコンサートで生歌を聴いて、その超絶な歌唱力と伝える力に圧倒され感動したことを覚えています。その後、ソロでも活躍され、今でも日本を代表するシンガーソングライターとしてボーカリストとして君臨しています。“メロディー”という曲は、歌詞を含めてとても素敵な曲なので、多くのアーティストの方にカバーされ歌われています。恥ずかしながら私も、この名曲“メロディー”を何度か人前でも歌ったことがあります…。
 歌は時に、人の心に安らぎを与えたり、落ち込んでいる人を元気づけたり勇気づけたりします。素敵な歌詞、言葉そして優しく素敵なメロディーが心に響き、一歩を踏み出す力を与えてくれます。歌だけではありません。永松さんがおっしゃるように、“言葉”は人を繋ぎ、人を元気づけ、人を笑顔にし、人を幸せにします。もちろん、“逆”もあります。言葉は人を傷つける刃にもなります。
 だからこそ、私たちが当たり前に使っている言葉…その言葉をこれからも大切にしていきたいと思います。

♪あんなにも好きだった君がいたこの町に 今もまだ大好きなあの歌は聞こえてるよ
いつもやさしくて 少しさみしくて あの頃はなにもなくて それだって楽しくやったよ
メロディー泣きながら ぼくたちは幸せを見つめてたよ…♪