【2月15日】木漏れ日
- 公開日
- 2023/02/15
- 更新日
- 2023/02/15
Kのつぶやき
今朝の西日本新聞「春秋」からです。
春本番は遠く、宝満山からの風もまだ冷たい。「ウクライナよりも寒いです」。日本経済大(福岡県太宰府市)で学ぶカテリーナ・エクザルホバさん(20)は肩をすぼめて笑った。戦禍を逃れて昨春非難してきた留学生の一人。キーウ国立言語大では日本語を専攻。ジブリアニメを通じ日本文化に興味を抱くようになった。両親と離れ離れの生活にも「将来のために送り出してくれた。だから私は恵まれている」と感謝を忘れない。
ロシアの軍事侵攻から間もなく1年。「キーウの友だちは電話で『ミサイルが怖い。どこにも出かけたくない』と」。故郷が無慈悲に砲撃されている。民の体力、気力、そして命までも奪っていく行為が同じ人間として悲しい。
心と心のつながりを大切にしたいと大学ではダンスや和太鼓にも取り組む。先日は福岡市で開かれたバレーボールVリーグのハーフタイムショーで踊った。「お客さんと一体になれる時間が好き」。
8月15日生まれ。母国の高校で「終戦の日」だと教わった。「平和を考える日です。誕生日のたびに『生かされている』と実感するようになりました」。1月には広島市の原爆ドームに足を運び、悲しみの歴史へ思いをはせた。
好きな日本語は「木漏れ日」…。来日してから覚えた。「ウクライナには存在しない言葉。ぬくもりを感じます」。疫病、災害、戦争…つらい世相に差し込む光に鎮魂の願いを重ねる。
「木漏れ日」とは、森林などの木立ちから太陽の日差しが漏れる光景のこと。「木洩れ日」とも書きます。「木漏れ日」という言葉を聞くと、素敵な光景や風景、時間を想像することができます。「ICHIROYAのブログ」というところには、次のように書かれています。
外国人、とくに英語圏の人たちは、この「木漏れ日」という言葉の意味を知ると、その言葉に驚き、そうやって自然を切り分ける日本語のチカラを賞賛してくれる方もいるようだ。「木漏れ日」に、正確に対応する英語の単語は存在しないのだ。で、「木漏れ日」をさして何かをいいたいとき、英語圏の人たちは、たとえば、長々とこう言わなければならない。
「sunlight filters through the trees - the interplay between the light and the leaves.」
このことを今日知った。何回か紹介しているMaptiaのブログの最新記事でだ。日本人として、なんだか、とても誇らしい気分になった。おそらく、自然を愛して、四季の移ろいに密着して生きてきた日本人が、当たり前のように、自然現象を切り分けて認識している日本語の言葉のなかには、「木漏れ日」だけでなく、ほかにもたくさん、英語圏には対応する単語のない言葉があるに違いない。
日本人が四季折々の自然の素晴らしさを感じ、上手に向き合い生きてきたことがわかります。また、日本人特有の美意識のひとつに「わび・さび(貧困や孤独・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識。閑寂ななかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさをいう)」というものあります。さらに、外国の方から見れば、日本人の「人に対する優しさや気配りの素晴らしさ」、「礼儀正しさ、行儀やマナーのよさ」、「責任感や約束を守る」などがよさとして挙げられることもあります。
このように日本語のよさ、日本という国のよさ、そして日本人のよさを外国の方からもとりあげてほめていただくことがあります。とても嬉しく誇らしい気持ちになります。
時と共に変わっていくもの(こと)、変わらなければいけないもの(こと)はありますが、日本人として大切に守っていきたいもの(こと)、人として絶対に大切にしなければならないもの(こと)は忘れないようにしたいと思います。