【2月16日】決意
- 公開日
- 2023/02/16
- 更新日
- 2023/02/16
つぶやき
先日の御陵中HPのトップページにある3年生が卒業式で歌う合唱曲『決意』のルーツである司馬遼太郎さんのことが、日本教育新聞『不易流行』に載っていました。
2月12日は司馬遼太郎さんの命日「菜の花忌(司馬遼太郎氏が菜の花を好んだこと、また作品『菜の花の沖』があることによってそうよぶそうである)」。黄色い野の花が好きだったという。人気作品は、近代国家に駆け上がっていく明治期の青年群像を描いた「坂の上の雲」だそうだ。小欄も刊行を心待ちにし、読みふけったものだ。
司馬は執筆に当たって、史料を広く全国に求めたことで知られる。司馬が去った後、神田の古書街からは関連資料が消えていたと、井上ひさしが書いている。残された蔵書は約6万冊。記念館の高い吹き抜けには、司馬の蔵書世界をイメージした大書架が広がっている。司馬は21世紀を目前にして亡くなった。晩年に、小学6年生の教科書用に書き下ろした「二十一世紀に生きる君たちへ」という文章がある。「君たちだけが持っている大きなものがある。未来というものである」とし、歴史から学んだことは、「人間は自然によって生かされ」「助け合って生きている」こととした。さらに、「助け合うという気持ちや行動のもとは、いたわりという感情である」と続けるが、これは「本能ではない。だから、私たちは訓練をしてそれを身につけねばならない」と説き、「自己を確立せよ」「たかだかとした心を持て」と訴えた。
今年は生誕100年に当たる。司馬が今の世の中を見たら、どんな言葉を発するだろう。今を生きる私たちは、自分たちにできることは何かを考え、行動しなければならないと思う。
司馬遼太郎氏が亡くなられたのは、20世紀終わりの1996年2月12日。司馬氏は、21世紀を生きる「君たち」に大いなるメッセージをおくってくれました。
科学や技術が発達しても、それらに飲み込まれることなく、志を高く持ち、人としての尊厳を大切にしてほしい。自分に厳しく、人にはやさしく、自分を磨きつつ、素直で賢い自己を確立してほしい。21世紀を担う「君たち」が互いに支え合いながら、素敵な未来に向かっていってほしい。君たちの未来が美しく輝くものとなるように…
3年生の皆さんが卒業式で歌う『決意』…
「先を歩いていったあなたの後ろ姿に人間としてのあるべき生き方を学ぶ」「未来への一歩を踏み出す」「緑の地球にあまねく平和と幸せを届けるために…」。
今を生きる私たちすべてが、今の状況をしっかりと振り返り、考え、行動しなければと教えてくれています。