【2月24日】恵みの大地
- 公開日
- 2023/02/24
- 更新日
- 2023/02/24
Kのつぶやき
今日でちょうど、ロシアのウクライナ侵攻から1年。終わりの見えない悲惨戦争は今日もかけがえのない人の命を奪っています。今朝の西日本新聞のコラムにもこのことに関連することが載っていました。
宮崎駿監督は、現代の文明や環境への警句を作品のキャラクターに託してきた。映画「天空の城ラピュタ」で少女シータは語る。<どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんのかわいそうなロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ> この言葉が土へ興味を抱くきっかけとなり、スコップ片手に世界中を飛び回っている研究者が森林総合研究所の藤井一至[ふじいかずみち]さん(41)。藤井さんによると、世界の土は大まかに12種類に分類できる。中でも群を抜いて肥沃[ひよく:土地が肥えていて、農作物がよくできること]で「土の皇帝」と呼ばれる土壌がチェルノーゼム。ロシア語で黒い土を意味する。日本には全く存在しないこの土はウクライナの国土の6割を占め、世界全体のチェルノーゼムの3割に当たる。「欧州のパンかご」と呼ばれるゆえんである。
第二次世界大戦でナチス・ドイツは章句漁増産を狙い、この土を貨物で持ち帰ろうとした。いまロシアがウクライナを欲しがる一因はそこにもあろう。藤井さんは著書「大地の五億年」に、土の尊さをこうつづっている。土は月や火星にもない地球だけの産物であり、5億年かけて生まれた土壌が地球の皮膚として生き物を養ってきたのだと。
巨大なロシアがウクライナへ侵攻し、今日で1年。実りをもたらしてきた畑は戦場になり、地雷や砲弾が国土の3割を汚してしまった。平和な大地を再び取り戻せるのはいつか。人は土から離れては生きられないのに。
ウクライナそしてロシアの死者数は、当局の公表分だけで2万7千人。欧米での推計ではロシア軍の死傷者だけで20万人ともいわれています。ウクライナでは人口の3割、1300万人が非難しています。また、ウクライナを支援する世界各国からの総額は約20兆円となっています。
いかなる理由があったとしても、決して許されない戦争。かけがえのない大切な命が一瞬で奪われていく戦争。ミサイル1発が5000万円とも1億円ともいわれるものが次々に使われ、人の命を奪っていく。世界では、地震によって多くの命が奪われたり、厳しい生活環境の中で飢えに苦しみ、命の終わりを迎える人たちもたくさんいるのに…。戦争で使われるお金が、人の命を守っていくことに使われたのなら…、そんなことも考えます。「勝者なき戦争」ともいわれるこの悲惨な出来事が、一日も早く、平和的に終わりを迎えてくれたらと願います。そして再び、平和な大地、恵みの大地となればと思います。