学校日記

【3月16日】新たなスタート

公開日
2023/03/16
更新日
2023/03/16

Kのつぶやき

 3月14日付の日本教育新聞のコラム『不易流行』に、「学力低下論」に関連する内容が載っていました。

 蛍の光 窓の雪…各地の学校で卒業式が続く。3年前の全国一斉休業期間に小学校6年生や中学校3年生だった世代が卒業を迎えた。コロナ禍が落ち着いて卒業生も保護者も、母校や恩師、級友との別れの時間をしみじみと過ごしたことだろう。
 卒業生にとって、この3年間の学校生活はどうであったか。教育活動が制限される中で、学力を身に付けられたか。各種調査によれば、学力の定着にそう大きな問題はなかった。しかし、学力を支えるさまざまな体験のメニューは、十全にはできなかった。これが将来の人間形成に影響を及ぼすかどうか、現時点では不明である。ふた昔前に、いわゆる「学力低下論」が跋扈(ばっこ:のさばり、はびこること)した。平成11年に「分数ができない大学生」というショッキングな題名の本が発行された。「新しい学習指導要領では、円周率を3.14ではなく、およそ3であると教えるそうだ」。このような言説が保護者の心配を増幅させた。通勤電車の中づり広告。進学塾の宣伝は、それをあおるメッセージ。あれから、二十数年。今でも「学力低下論」は形を変えて襲ってくる。明日は3月14日、円周率の日である。円周率を何桁まで記憶できるかという遊びが昭和の時代にはあった。いろんな思い出と共に、卒業生は未来に向けて校門から去って行く。

 テストでの点数などの見える学力が高ければよいという時代ではありません。今までも何度もふれてきましたが、学力向上のためにもやはり、「非認知能力」がとても大切です。
 非認知能力は簡単に点数化できない力、すなわち、チャレンジする力、自尊心、自己肯定感、自制心などの「自分に関する力」。そして、一般的には「社会性」と呼ばれる、協調性、共感する力、思いやり、コミュニケーション力や社交性、道徳性などの「人と関わる力」です。これらの力は「社会情緒的スキル」ともいわれ、これを幼いうちからしっかりと身につけておくことで、将来に渡って幸せな生活を送ることができるといわれています。
 そのために、学校での様々な学びもあるのです。通常の授業はもちろん、授業を通した体験的な学び、仲間と協力して創りあげる行事、地域の人や地域との関わり、部活動や社会体育・習い事などを通した学び…うまくいかないことも含めて、失敗や試行錯誤を繰り返しながらも、粘り強く取り組んでいくことで、身についていくものだと思います。最近、私がよく言っている「未来志向力」、「レジリエンス」などの力も大切な力です。
 コロナ禍まっただ中を生き抜いた卒業生の子どもたちは、優しくあたたかく、チャレンジ精神旺盛で、何事にも粘り強く取り組みました。きっと、輝く未来へ向けてこれからも新しい場所で頑張ってくれると信じています。
 また、在校生の子どもたちも今、たくさんの事を学び成長し続けています。学校、家庭、地域がしっかりと連携し、子どもたちがたくましく、意気揚々と毎日を過ごせるように、今後も支援していきたいと思います。
 明日は、「生徒総会」。1・2年生の来年度へ向けた新たなスタートです。楽しみにしています。