【8月15日】終戦の日
- 公開日
- 2024/08/15
- 更新日
- 2024/08/16
校長のひとりごと
終戦から79年を迎えた本日、およそ310万人の戦没者を慰霊する政府主催の全国戦没者追悼式が、4000人の参列者の中、日本武道館で行われていました。
岸田総理の式辞のあと、正午には全員で黙祷を捧げていました。その後、天皇陛下からのおことばがありました。さらにその後、遺族代表として父親が中国で戦病死した福島県の安齋満さん(86)が追悼の辞を述べられていました。内容は次のようなことでした。
「平和の大切さは、私たち遺族が身に染みて知っております。世界では、いまなお戦争が絶えることがなく、多くの戦争犠牲者が出ており、一日も早く平和が実現することを祈るばかりです。戦争の悲惨さと平和の大切さを、今こそ、語り継いでいかなければなりません。記憶の薄れゆく今日にあって、教訓を伝えていく機会が失われつつある現在、語り部として、子・孫へと継承していくことが大切であり、遺族の使命でもあります」。
また、今朝の西日本新聞のコラム『春秋』には次のことが載っていました。
戦争体験者が減る中で「もの」の持つ意味が大きくなる…。昭和の戦争を追ってきたノンフィクション作家 梯久美子さんは、戦争を扱う全国の博物館や資料館を訪れて改めてそう感じた。沖縄の八重山平和祈念館では、戦争マラリアで亡くした娘2人のために母親が稲わらで作った「サン」と呼ばれるお守りがあった。東京大空襲の資料館では一晩に三十数万発が落とされた焼夷弾(しょういだん)の重さに驚かされた。これらの場所は、支社と出会うことで過去を知る場所だと近著「戦争ミュージアム」(岩波新書)につづる。
福岡県小竹町の住宅街。プレハブには千人針や鉄帽、軍服、日の丸の寄せ書きなど戦争遺品が所狭しと並ぶ。「兵士・庶民の戦争資料館」は開館45年の私設資料館だ。棚に〈手をふれて下さい その重さ、固さを知って下さい〉との説明書きが。ものにじかに触れて、戦争を感じてもらうのが狙いだ。平和学習に加え、近年はコスプレの撮影やサバイバルゲームが趣味という若者も訪れる。「入り口は何でもいいんです。そこから歴史を知り、戦争の本質に少しでも触れてくれたら」と父母の遺志を継いだ館長の武富慈海さん(75)は話す。棚に並ぶ水筒は南方戦地で収集した遺品だ。手に取ると、銃弾が貫通した穴が二つ。のぞき込むと光が差した。水が漏れるさまを見つめながら息を引き取ったのか、とっくに空っぽだったのか。玉音放送から79年。
(※玉音放送…1945年8月15日の正午、天皇陛下の肉声で終戦を伝えたラジオ放送のこと)
戦争を体験された方々の高齢化が進み、戦争の悲惨さと平和の尊さや大切さをどうやって伝え続けていくのか、とても大切な問題です。日本にとっては過去の戦争であっても、世界を見渡せば戦争や紛争が続いています。決して他人事で済ますことはできません。一人一人が平和について考え、相手を思いやり、人を大切にすることについて真剣に考え行動し続けることが大切だと思います。学校においても平和学習等はもちろんのこと、折りにふれて子どもたちと一緒に平和について考える機会を今後もつくっていきたいと思います。