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【12月12日】今年の漢字

公開日
2025/12/12
更新日
2025/12/12

校長のひとりごと

 今日は「漢字の日」。「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)[良い字一字]」の語呂合わせにちなんで日本漢字能力検定協会が制定しました。協会は、その年の世相を象徴する今年を表現する漢字を全国から募集し、一番多かった漢字一文字を「今年の漢字」として、12月12日の漢字の日に京都清水寺で発表します。「今年の漢字」の取組は、漢字の魅力や奥深さを広く伝えることを目的に1995年に始まった企画であり、年末の恒例行事として定着し、人々が一年を振り返るきっかけにもなっています。

  今年も、日本漢字能力検定協会の理事長が中身が見えないようにして封筒に入れて持ってくる今年の漢字を、京都清水寺の森清範(もりせいはん)貫主(かんす:清水寺最上位)は、その場で見て、力強くしたためました。

 全国からの応募総数18万9122票のうち、2万3346票(12.34%)を集め、「今年の漢字」に選ばれたのは、「熊」でした。第2位の「米」(2万3166票)との票数差はわずか180票(0.09 ポイント差)だったそうです。

 各地で「熊」による被害が相次ぎ、イベントの中止や休校が社会問題となり、政府が緊急対策を講じたことなどが理由に挙げられました。また、中国で「熊猫」と表記するパンダ4頭が和歌山県のレジャー施設から中国に返還されたことも話題となり選ばれたということです。ちなみに、3位は「高」、4位は「脈」、5位は「万」でした。


 クマ(熊)は現在、九州では確認されていません。いなかったわけではなく「絶滅」したといわれています。調べてみると、九州では数十万年前から、個体数は多くはなかったものの「ツキノワグマ」が生息していたと考えられています。しかし、「クマの主食となるドングリやブナなどの実がとれる広葉樹の原生林が江戸末期から明治、昭和にかけて燃料や製材のために伐採され、代わりに熊の餌とならないスギやひのきなどの人工林が植樹されたり、開発などによって生息環境が悪化したこと」、「クマは農作物を食い荒らす害獣、または危険な動物として狩猟や駆除の対象であったこと」などの要因が重なり絶滅したといわれています。最後に九州で野生のツキノワグマが捕獲されたのは1941年の宮崎県の事例が最後との記録があるようです。

 クマの問題については、単に「駆除」というだけでなく、クマの生態を十分に知り、人間の生活圏とクマの生息域を分ける「棲み分け」について考え、「共生する」ということも忘れてはいけないと思います。


 最後に…

 この10年の「今年の漢字」を振り返ると、2024年は「戦」、2023年は「金」、2022年は「密」、2021年は「新」、2020「災」、2019年は「北」、2018年は「安」、2017年は「税」、2016年は「清」、2015年は「安」となっています。過去30年の「今年の漢字」で複数回選ばれたのは、「金」が4回、「清」が3回、「戦」「安」「新」「新」「災」「命」が2回となっています。

 たった一文字の漢字ではありますが、社会の出来事や世相、人々の感情、流行などがわかる「一文字の記録」といえるかもしれません。

 皆さんにとっての2025年を、漢字一文字で表すと何になりますか?


(ひとりごと第1134号)