【2月16日】感動…
- 公開日
- 2026/02/16
- 更新日
- 2026/02/16
校長のひとりごと
ミラノ・コルティナ冬季五輪では、日本選手の活躍が毎日続いています。様々な競技で日本選手がメダル獲得や入賞を果たし、その実力とレベルの高さを世界に示しています。そして、選手の方々の活躍に感動するのはもちろんなのですが、ここに至るまでのケガや挫折、苦労を知ると余計に感動しますし、その努力や生きざまに敬意を表したいと心から思います。その中で私が、特に「凄い!」と感じるのが、スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手です。1ヵ月前に腸骨骨折をし、到底出場も無理だと言われながら出場し、7位入賞を果たしました。平野選手は、15歳で出場したソチ五輪で銀メダル、次の平昌五輪でも銀メダル、そして北京五輪では大逆転の金メダルを獲得し、連覇が期待されていました。そんな中での大けが…。それでも不屈の精神でリハビリをしつつ、痛み止めを打ちながらの出場。膝などは感覚もないくらいの状態とのことでした。
ケガをしたとき、平野選手はのちのインタビューに
「『終わった』と思いましたね。オリンピックを控えていたので(車いすや松葉づえの生活で)先が見えないような日々の時間は長く感じました」
と答えています。それでも「戻れる可能性が1%でもあるのであれば、ここで滑りたい」と話されていました。練習もほとんどできないまま本番を迎えた平野選手は、
「良い状態をつくれていない中で、このオリンピックを迎えてしまいました。どこまで痛みが出るのかわからず、チャレンジしています。やりたいこととは違う形ですが、この痛みありきなので仕方ないかな…」。
そして予選を通過し、臨んだ決勝。2回目で出した得点によって全体7位となりました。解説の方もケガを押して出場している平野選手のチャレンジに「信じられない!」と驚愕の声をあげていました。競技後のインタビューにはこう答えていました。
「無事生きて帰ってこられてよかったなという、本当それだけすね…。思い切って生きるか死ぬかみたいな気持ちを持って滑りました…今まで積み重ねてきた4年間という時間を信じて、やるべきことをやるだけだった…」。
さらに、
「今の状態でマックスに向き合ってチャレンジできました。自分にとってはプラスだし、いい経験になりました」。
「またゼロからこの悔しさをつなげていきたいと思います。そして進化していく姿を届けられるように、自分らしくやっていきます…」。
平野選手は以前の番組のインタビューで、こんなことも言っていました。
「自分は常に強くありたいと思う。強くあろうとすることが自分が生きているという証だと思っている」
コンクリートほどの固いパイプに叩きつけられる恐怖を乗り越え、命をかけて臨んだ本大会。たとえメダルに届かなかったとしても、平野選手のその姿、チャレンジ、そしていつも謙虚で落ち着いた語りにいつも共感させられています。その時その時を「全力で生きる」ことの素晴らしさを教えてくれています。そして、平野選手が世界トップの実力者であっても常に誰よりも努力し続ける姿、謙虚な姿勢、真摯な対応などが、今回金メダル獲得の戸塚選手や銅メダル獲得の山田選手などにも引き継がれているような気がします(ちなみに、戸塚選手の表彰式のときの涙にも感動した私です)。
すべての選手の皆さんに敬意を表わすとともに、残りの競技においても、大いに活躍されることを心より願っています。
(ひとりごと第1166号)