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【3月5日】笑顔が照らす…(その1)

公開日
2026/03/05
更新日
2026/03/05

校長のひとりごと

  昨日のタイトル「笑顔一灯」は、浦田先生に色紙(写真)に書いていただいた言葉です。浦田先生は、常に笑顔でした。素敵な笑顔を絶やさず、優しい言葉でお話をしてくださいました。目を開けていても真っ暗な世界の中で、自分の笑顔によって、人を、周りを、世の中を明るくしたい、笑顔にしたいという思いがあるのだと思います。


 江戸時代初期の陽明学者・中江藤樹さんが残した名言に「一灯をもって万灯を照らす」というものがあります。直訳すると、「ひとつの灯火(ともしび)で、たくさんの灯火に火をともすことができる」という意味です。しかしこれは、深い人間愛や人間理解、そして希望があるのだと思います。「たとえ自分の力は小さくても、自分の存在が誰かの役に立てる」という強い思いがあると思います。ここでいう「一灯」とは「心」、「心の灯火」を表していると思います。人間の優しさや思いやり、愛情、行動…そうした小さな心の光を、中江さんは「灯」と呼んだのです。そしてそれは、大きな光でなくとも、小さな光でいいのです。暗闇では小さな光でさえも貴重な光となります。そして、その小さな光が少しずつ周りに増えていけば、あたたかな明るい光となっていきます。誰かの笑顔が、誰かの笑顔を生む。それがまた広がって笑顔がどんどんと広がる。誰かの優しい行動が、周りの人への優しい行動に繋がる。優しく寄り添うだけでもいいのです。優しい行動がどんどんと広がっていけば、みんなが笑顔で幸せな気持ちになる。たとえ、最初は小さな灯でも、思いが広がっていけば、万灯へとなっていく…。

 浦田先生の笑顔は、私たちを笑顔にしてくださいます。浦田先生の優しい笑顔や優しい語りかけによって、落ち込んでいたり、暗い気持ちの人をあたたかく包んでくれます。浦田先生の笑顔はあたたかな「一灯」です。その笑顔を次の人へ、また次の人へ…そうやって浦田先生の笑顔の「一灯」は「万灯」へ広がっていくのだと思います。

 昨日の夢講座の1・2年生子どもたちの感想の一部です。


■私は浦田先生の話を聞いて、自分と重ねて怖いのと、先生への尊敬の気持ちになりました。私の母は先生と同じ病気です。まだ目は見えているけど、視野が普通の人よりせまいです。私は今日の話を聞いて、浦田先生のご両親がしてくれたように、後悔しないうちにお母さんに優しくしようと決心しました。先生は本当に見えていないのか疑うほど元気で明るくて優しくて面白くて本当にすごいと思いました。帰ってお母さんに今日のお話をしたいと思います。ありがとうございました。[1年生]

■「今日の私は何をする?」という言葉を聞き、私は今日まで目標を立てて一日を過ごしたことがなかったなと思いました。特別したいこともないし、学校に行って、帰ってきたら習い事に行く毎日でした。でも、今日先生のお話を聞き、「今日の私は何をする?」という毎日を過ごしていきたいと思います。先生のお話を聞いて明日も頑張ろうと思いました。本当にありがとうございました。[1年生]

■私は今日の講話を聞いて、浦田先生がずっと「みんなのおかげ」と言われているのが印象に残りました。校長先生のおかげで講話ができた。そうすけさん(ステージに上がってくれた3年生の永田奏輔さん)が場所を知らせてくれたおかげでボールを渡すことができた。みんなが手をたたいてくれたおかげでどこにいるかがわかったなど、いろいろな場面で思っている感謝の気持ちを伝えてくださった。それは自分が目が見えなくなっていることを言わなくてお母さんの姿や顔が見えなくなってしまった後悔があるからかなと思いました。浦田先生が実際の行動で伝えてくださったことや言葉で伝えてくださったことを、まずは自分から挑戦できるような人になりたいと思いました。本日は本当にありがとうございました。[2年生]

■本日の講演を聞いて、浦田先生の考え方が素敵だなと思いました。もし自分が視力をなくしてしまったら、自分に何かできることを探そうとはならなかったと思います。目が見えるとか見えないとか関係なくポジティブな考え方に変えることは日常生活でも大切だなと思いました。浦田先生のおかげで新しく3年生になる自分が前向きになったんじゃないかと思います。ありがとうございました。[2年生]

■目が見えないように僕がなったら、本当に生きる力を失うと思う。そんな中でゴールボールというスポーツで金メダルをとったと聞いてとても驚きました。まずはやってみる。やってみなきゃ分からないという言葉がとてもささりました。今日一日をどう生きるかは自分しだいということを常に忘れずに、周りへの感謝も忘れずに生きていきたいです。ありがとうございました。[2年生]


 子どもたちが浦田さんの言葉をしっかりと心で受け止めていることが伝わる感想ばかりでした。「もしも自分だったら…」、そう思ったときにどれくらい辛いだろう、絶望感を味わうだろう…。その中でそのことを乗り越えた浦田先生の凄さ、素晴らしさを感じたようです。そしてお話の中で伝えていただいた、「今日一日をどう生きるか?」「どのような一日にするのか?」は自分次第ということにも感銘を受けていました。そして、考え方や心の持ちようを変え、前向きに努力を積み重ねる。しっかりと「準備」をする。工夫して努力して周りからの支えもあれば、成し遂げられることがたくさんある。笑顔と真の優しさと謙虚さ、感謝の気持ちを持ち続け、今日を精一杯に生きることがいかに大切かを浦田先生は教えてくださいました…


(ひとりごと第1178号)