【3月19日】桜の開花を待ちながら…
- 公開日
- 2026/03/19
- 更新日
- 2026/03/19
校長のひとりごと
今朝の西日本新聞のコラム『春秋』からです。
きのうの九州は広い範囲でしっとりと雨の一日。水不足の大事には潤いとなった。この時季の雨は、花が咲くのを促し、せき立てる「催花雨(さいかう)」と呼ばれる。
列島各地の桜便りが届き始めた。福岡の開花予想はあさって21日。ぴたりと咲くか。日本の桜は「100年ぶりの大きな転換期を迎えている」。社会学者の佐藤俊樹さんは著書「桜とは何か」(河出新書)に説いている。昭和世代の桜といえば、染井吉野(そめいよしの)で一色だった。3月下旬から4月にかけて薄い白桃色の花が一斉に咲き誇る。散りゆくまでおよそ2週間。それが桜の景色そのものだった。その風景が2010年代に入って大きく変わった。戦後、列島に大量に植えられた木々は老いて、新たな品種は多様に。早咲きの河津桜や寒緋桜(かんひざくら)。桃色や紅色だけでなく、黄色い鬱金桜(うこんざくら)、緑の御衣黄桜(ぎょいこうざくら)も目につく。統一感があった桜の色は、豊かなグラデーションを描き始めた。桜も人も個性と多様性の時代、だろうか。色や咲きぶりが多彩な桜を、今は2月中旬から5月半ばまで3カ月間もめでられる。桜を眺める人の意識も、変わっていくかもしれない。別れと出会いの季節を象徴する寂しさ、はかなさだけでなく、からりとした喜びや楽しみもイメージの一つに加わるかも。
あすは春分の日。太陽が真西に沈む。しばらくは寒の戻りもなく暖かくなりそう。雨上がりの木々で、つぼみたちが陽光を待っている。
「同時に咲き、同時に散る」桜が、ちょうど卒業や入学と重なることで、日本人が大切にしている「節目」や「けじめ」と強く結びついていたのではないかと思います。近年、確かに多様な品種が出てきて、咲く時期や期間も変化してきました。また、温暖化の影響などによっても、咲く時期が少し早くなってきていることも事実です。30年前頃は、入学式のときに桜が咲いていたように思います。しかし最近では、それより前に散ってしまうことが多いように感じます。ただ、多くの学校、そして福岡県では、ほとんどが「染井吉野」であり、以前よりは早まってはいてもやはり同じような時期に咲き、人々の旅立ちや別れと新たなスタートを祝ってくれているように私は感じています。
華やかに咲いてあっという間に散っていく…そんな「無常観」であったり、時期的に「別れと出会いの象徴」であったり、私のように桜の花が、旅立ちやスタートを「祝福」しているような感覚や文化が長い間につくられてきたのではないかと思います。
今日体育館では、1・2年生による「生徒総会」が行われています。来年度からのスローガンや、各委員会の目標や取組などが提案され、審議されています。全員で考え、承認し、来年度さらに素晴らしい大野東中になるための生徒総会です。これもまた、3年生との別れのあとの、在校生による新たなスタートです。
もうすぐ咲き始めるであろう桜が、この子たちをあたたかく祝福してくれるのではないかと思います。
きっと…桜の開花が、子どもたちの新しい一歩を彩ってくれるはずです。
※写真は、生徒総会の様子です。提案する姿も、聞く姿勢も、意見や質問をする姿も素晴らしかったです。一番下の写真は、総務の子どもたちが座っている姿です。あまりの姿勢のよさに感動しました。きっとこの子たちを中心に、すべての子どもたちと情熱あふれる先生方で、ますます素晴らしい大野東中にしてくれると確信しました。
(ひとりごと第1190号)