【9月19日】ゆっくりと月を眺めながら…
- 公開日
- 2024/09/19
- 更新日
- 2024/09/19
校長のひとりごと
昨日に引き続き、今朝の西日本新聞のコラム『春秋』からです。
米大リーグの大谷翔平選手が前人未踏の「50-50」、50本塁打50盗塁に近づいている。そんな中、別の「50-50」の記録に達してしまったまちがある。すっかり全国ニュースの常連になった福岡県太宰府市。年間の最多記録を更新中の猛暑日は、18日で通算60日。さらに熱帯夜も計52日を数え、いずれも年間50日を超えた。
今日は彼岸の入り。酷暑の折、やむにやまれずお盆の墓参りは見送ったけれど、秋の彼岸には必ずと思っている方も多いのでは。今週末の九州は曇りや雨になりそう。最高気温は30度を切る見込みで、暑さは一段落である。
日本の四季は、一体どこへ行ったのやら。そんな嘆きは、もはや諦めに変わりつつある。観測史上うんぬん、というフレーズも聞き慣れた。夕立という言葉はそぐわない。短時間集中豪雨に遭遇し、ずぶぬれになった人を見かけることもしばしば。亜熱帯化が確実に進んでいる。
アパレル業界には1年を四季ではなく「五季」と捉える企業も現れた。5~7月を初夏・盛夏、8~9月を猛暑として夏を分割し、5ヶ月間の長い夏への商品投入に力を入れる。ファッションだけでなく、運動会や祭りなど秋の恒例行事の日程をずらす所も出てきた。
〈月を待つ立待月という名あり〉虚子。きょうは立待月、あすは居待月、そして寝待月。月の出が少しずつ遅くなっていく。待って眺めるなら、涼しい夜に越したことはない。
■満月の右側が少し欠けた月。日没とほぼ同時に出る満月よりも、やや月の出が遅くなり、家の外に出て少し立っている間に出る月ということで「立待月」。
■欠けた部分がさらに大きくなり、ちょうど満月から三日月を切り取ったような形に見えます。月の出が「立待月」よりさらに遅くなるため、立って待つのではなくゆっくり座って待つ月ということで「居待月」。
■右側の欠けが大きくなり、満月より「下弦の月」に近い状態になります。月の出は、かなり夜更けになり、子どもならすでに布団に入っている時間に出ることが多いため、ゴロゴロと寝ころびながら待つという意味で「寝待月」。
月の見え方によって様々な呼び方に代表されるように、日本人は古代より、「月」が好きだったのかもしれません。古い書物の中にも「月の神様」や「月」のことが出てきますし、百人一首にも歌人が「月」のことを読んだ歌がたくさんあります。太陰暦があったように「月」の動きで時の流れを感じ、「月」に願いを込めたり、「…満月→立待月→居待月→寝待月…」のように姿を変える「月」を眺めながら心地よい時間を過ごしたり…。
昨夜の「満月」…昨日の7時過ぎ、東の空の雲の切れ間から大きく、そしてとても綺麗に見えていました(そのあとはだんだんと雲に隠れ最終的には見えなくなっていましたが…)。秋は気温も下がり、空気も澄んで「月見」の季節なのでしょうが、例年になく蒸し暑い夜が続き、ゆっくり月を眺めるという感じでもないかもしれません。しかし、日々の忙しさに追われ、心の余裕もなくなってイライラすることは心にも体にもよくありません。時には、少しゆっくりと横になりながらでも、何も考えず月を眺めることもよいのかもしれませんね…。ここ数日、月の話題ばかりでしたが、少しでも皆さんが興味をもっていただけたのなら幸いです。
明日は今日に引き続き暑くなりそうですが、その後は少しずつ天気が崩れ気温が下がり、やっと秋らしくなってくる予報となっています。そして、明日からは1年生が、海の中道青少年海の家にて1泊2日の自然教室となりますので、少しでも活動のしやすい天気になればと思います。今回残念ながら私は同行しませんが、1年生の子どもたちには、自然を満喫しながら、仲間と寝食を共にし、絆を深め、有意義で思い出深い自然教室にしてもらいたいと思います。