【10月31日】“おかげさん”で900回
- 公開日
- 2024/10/31
- 更新日
- 2024/10/31
校長のひとりごと
田口佳史さんの著書『超訳 言志四録 佐藤一斎の「自分に火をつける」言葉』から「目と耳を怠けさせるな」というタイトルのところを載せます。
「目の不自由な人は、耳でよく見る。耳の不自由な人は、目でよく聞く」
『言志後録 151』の中で一斎は「目と耳それぞれの機能を最大限に活用しているかい?」と問うています。私たちは当たり前のように、目で見て、耳で聞いていますが、それゆえどちらもおざなりにしている部分があります。でも、目の機能に頼れない人は、耳から入ってくる音で観ることができるほど、耳の感覚が研ぎ澄まされています。耳の機能に頼れない人は、目から入ってくる像で聞くことができるほど、目の感覚が研ぎ澄まされています。人間にはそのくらいすばらしい力が備わっているのです。
目と耳、どちらの機能も十分に備わっているからといって、怠けさせてはいけません。情報の入口がたるんでいると、入ってくる量も質も落ちるからです。
見えないものが見える、聞こえないものが聞こえる、そこまでの域に達するよう、感覚を研ぎ澄ませることが大切なのです。
何となく見ていても、何となく聞いていても、その本質はなかなかわかりません。“感覚を研ぎ澄ます”という言葉で表現されていますが、目で見て耳で聞いて、頭で考えて、心で感じて、見えないものでも、見えないことでもイメージしたり想像したりすることが大事なのだと思います。表面上の出来上がったものだけを見て素晴らしいとか素晴らしくないではなく、そこに隠された、目の前には見えない“もの”や“こと”を想像することが本質をわかることにも繋がっていくのだと思います。そのためにも、日頃からたくさんの本を読む、たくさんの情報を仕入れる、たくさんのことをより深く学んでいくことが基本となっていきます。
まだまだ、足りない私、まだまだ見えない私、まだまだ聞こえない私…さらに学び、感覚を研ぎ澄まし、想像力と創造力を高める努力をしていかなければと思います。
※写真は、校長室に掲げている相田みつをさんの言葉の載った日めくりカレンダー。今日31日の言葉は“おかげさん”…。まさに、皆様のおかげで、前任校でコロナ禍になってからはじめた「校長のひとりごと」も第900回となりました。また、一歩一歩、自分の感覚を研ぎ澄まし、学びを深め、見えないところが少しでも見えるように、努力していきたいと思います。