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【5月30日】能力は無限

公開日
2023/05/30
更新日
2023/05/30

校長のひとりごと

 京セラの創業者である稲盛和夫さんの著書『生き方』から「あきらめずにやり通せば成功しかありえない」のところを抜粋します。

 新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性をまっすぐに信じることができる人です。可能性とはつまり「未来の能力」のこと。現在の能力で、できる、できないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはいつまでたってもやり遂げられません。自分の可能性を信じて、現在の能力水準よりも高いハードルを自分に課し、その目標を未来の一点で達成すべく全力を傾ける。そのときに必要なのは、つねに「思い」の火を絶やさずに燃やし続けるということです。それが成功や成就につながり、またそうすることで、私たちの能力というのは伸びていくものなのです。

 このあとに、京セラでのエピソードが書かれています。その内容を要約すると…
 京セラが、IBMから初めて大量の部品製造の発注を受けたとき、あまりにも細かい要求に何度も何度も試作した。自分たちの技術力では到底不可能という思いも頭をよぎる中、社員を叱咤激励し、全身全霊を傾けて取り組んだとのこと。計り知れない時間と労力を使ってもできず途方にくれていた技術担当者に「神に祈ったか」と、尋ねるくらいに必死だった。そのような超人的な努力を繰り返した結果、ついに恐ろしく高い要求水準を満たす「手の切れる」ような製品の開発に成功し、2年近く工場をフル稼働させて、膨大な製品を作り上げたとのこと。

 稲盛さんは、そのあとこう綴っています。
 製品を積み込んだトラックが走り去るのを見ながら、私はつくづく感じました。
 「人間の能力は無限だ!」
 いっけん無理だと思える高い目標にもひるまず情熱を傾け、ひたむきな努力研鑽を惜しまない。そのことが私たちの能力を、自分自身もびっくりするほど成長させる。あるいは眠っていた大きな潜在能力を開花させるのです。ですから、できないことがあったとしても、それはいまの自分にできないだけであって、将来の自分になら可能であると未来進行形で考えることが大切です。まだ発揮されていない力が眠っていると信じるべきなのです。…(中略)…
 それでも、そう簡単に事が運ばないことも往々にしてありましたが、困難に直面するたび私はこのようにみんなに叱咤激励しました。
「もうダメだ、無理だというのは、通過地点にすぎない。すべての力を尽くして限界まで粘れば、絶対に成功するのだ」

 きついこと、苦しいこと、うまくいかないことがあると心が折れそうになり、「もう無理だ」と思ってしまうことがあります。「どうせ、自分なんて…」とまで思ってしまうこともあるかもしれません。私は、子どもたちに「君たちの可能性は無限大!」とよく言います。それは、本当に3年間の成長だけ見ても、私たちが驚くくらい様々な面で伸びていく子どもを見てきたからです。そして、大人になってからの姿を見てもそう感じるのです。ですから、志や目標を持ち続け努力していくことが、自分の能力を伸ばしていくことですし、何より自分自身を成長させる一番の秘訣だと思います。