【6月1日】努力を続けること
- 公開日
- 2023/06/01
- 更新日
- 2023/06/01
校長のひとりごと
先月、世界卓球選手権が行われていました。混合ダブルスで準優勝、女子シングルス3位、女子ダブルス3位と日本人選手の素晴らしい活躍も見られました。世界最強の中国選手と壮絶な打ち合いの末、勝利する場面などは、鳥肌が立つほどの感動を覚えました。卓球だけでなく様々なスポーツにおいて、日本人選手が世界で活躍するようになっていることに驚きとともに、同じ日本人として誇らしく感じたりします。
元卓球日本代表の選手であり、監督もされた児玉圭司さんという方の著書『1日1話自分を強くする成功の教科書』の中の「努力は無限であり、誰にでも可能である」というところを抜粋します。
私の好きな言葉に「流汗悟道」という言葉があります。これは「迷いを排し、汗を流して努力する」という意味であり、ひたすら汗を流し、努力を続ければ、どんな夢や目標も実現できるということです。
「あらゆる素質の中で最も大事な要素は、努力することができるかどうかという素質である」
これは、私が今まで何百人という卓球選手や社員を指導してきた体験上、得た結論です。男子マラソンで瀬古利彦選手など数々の名選手を育てた中村清氏も、「努力は無限、天才は有限」と言っています。
どんなに才能に恵まれた人でも、努力しなければ力を発揮できません。しかし、努力はやろうという志と忍耐力があれば、誰でも無限に続けられるのです。何年か経てば、想像を超える差がつきます。
人間国宝の第十四代・酒井田柿右衛門先生(有田焼を代表する陶芸家)は、「どんな絵でもいいから1日1枚絵を描くこと」という言葉を遺(のこ)しました。この言葉は「絵」だけではなく、スポーツにも仕事にも、すべてのことに通じる言葉です。
どんなことでも最初からうまい人などおらず、地道な努力がすべての基礎になります。人間、何かを始めるのに遅いということはありません。いつでも気づいたときがスタートであり、そこから種をまき、努力を続けることで未来は拓(ひら)け、志を果たすことができるのです。
卓球界はもちろんのこと、どのスポーツの世界でも、スポーツ以外の世界でも、結局のことろ、志をもってどれだけ努力をし続けたかが勝負だということを教えてくれているのだと思います。今回の世界卓球女子シングルスで世界3位になった福岡県出身の早田ひな選手は、準決勝で中国選手に敗れたあと、泣きながら悔しさとこれからの強い決意を語っていました。世界3位で満足することなく、自分自身を振り返り、もっともっと練習して強くなりたい!という思いがひしひしと伝わってくるものでした。多少、能力があったところで勝ち続けることはできません。世界のトップで活躍されている人は皆、私たちの想像もつかないくらいの努力を積み重ねているからこその結果なのだと思います。
目指しているものが「世界」ではなくとも、誰しもが、それぞれの目標をもち、粘り強く諦めずに努力し続けることで、必ず目標に近づいていく、そして目標を達成することができる。人のことをうらやましく思う前に、人のせいにせず、自分自身を成長させていくことが大切なのだと思います。
かつて、「イチロー選手を“天才”というなら、“努力の天才”だ!」と言った方がおられるように、子どもたちには“努力の天才”目指してほしいと思います。