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【6月7日】学び

公開日
2023/06/07
更新日
2023/06/08

校長のひとりごと

 5時間目、3年生の国語科、石橋若菜先生の授業では、教科書の「学びて時に之を習ふ−『論語』から」の学習が行われていました。子どもたちには、学習を通して、論語に興味をもってもらい、少しでも読んでくれたらと思います。
 以前も紹介した田口佳史さん著『超訳 論語』のはじめににはこう書かれています。

 「いつ読んでも、どこから読んでも、生きる道しるべとなる言葉にぶつかる」。論語を読むたびに、私は感動を新たにする。なぜなら、一番大切な問題…「人間とは何か」について鋭く切り込み、一人ひとりの人間が内包するさまざまな要素を余すところなく描ききっているからだ。「人間の本質をえぐる稀代の書」といっていい。…論語の言葉は、人生のありとあらゆる場面に応じて、適切な、心に響くヒントを与えてくれる。まさに「打てば響く」ように、いい言葉が返ってくるのだ。

 教科書の中のタイトル「学びて時に之を習ふ」について、田口さんの本に書かれているところを抜粋します。

「學びて時に之を習ふ、またよろこばしからずや」
 人生は学びだ。忍耐強く繰り返し学ぶ中で身につけたことを実践しながら、人生に生かす。それにまさる悦(よろこ)びはない。
 もしもあなたが学ぶことを「おもしろくない」「苦痛なだけだ」と感じているとしたら、それは「学んだことを人生にいかそう」という意識が薄いからだ。いうなれば「学びっぱなし。せっかく得た知識も行き場を失う。そこに「悦び」があるはずはない。
 学びで大切なのは、何度も繰り返し「習う」こと。「習」の字は「羽」に「白」と書く。これは、まだ羽の色づいていない幼い鳥が、命がけで何万回と飛ぶ訓練をする様(さま)を表す。反復練習こそが知識・技能を習得する唯一の方法であることを表している。「習う」といっても、単に同じことを繰り返し学ぶだけではない。その学びの中で得たものを、人生のさまざまな場面で何度も忍耐強く実践することが眼目だ。そうして学びが人生にいかされて初めて、「学びの悦び」をかみしめることができる。この論語を英訳すると、
「Is it not pleasant to learn with a constant perseverance and application?」
忍耐強く学び実践することをおいてほかに悦びはないのである。

 論語を学ぶこともそう、国語を学ぶことも、他の教科も…様々なことを粘り強く学び続け、学んだことをいかし実践し、失敗を乗り越えて成長していくことで、悦びが生まれてくるということだと思います。少し学んだからといってすべてがわかっているわけではありません。学べば学ぶほど、自分が無知なことに気づかされます。学ぶことによって、新たな視点をもつことができたり、視野が広がったりします。子どもたちも私たちも一生涯「学び続ける」姿勢を持ち続け、それを単なる「知識」だけにとどめることなく「知恵」に変えて、いかしていきたいと思います。