【7月4日】胸熱くなる
- 公開日
- 2023/07/04
- 更新日
- 2023/07/04
校長のひとりごと
昨日、九州各地で大雨となり、熊本県付近では午前と午後に線状降水帯が発生し、河川の氾濫や橋が崩落するなど大きな被害が出ています。また、今回の大雨により亡くなられた方もおられます。九州では今後の雨も心配されており、私たちは充分な備え、そして状況によっては早めの避難を心がけなければと改めて思います。
昨今のニュースでは、このような大雨のことや心痛めるような事件の報道が頻繁になされていますが、今朝の西日本新聞『春秋』には、胸熱くなる素敵なお話が載っていました。
来年のパリ五輪へ、代表内定が出始めた。競技団体の強化担当にとって選考は大切で難しい役割。東京五輪の柔道男子代表の発表では、井上康生監督が「ギリギリで落ちた選手の顔しか思い浮かばない」と涙を流した。共に汗した選手全員をひのき舞台には上げられない。監督退任後、井上さんは「監督として未熟だった」と反省したが、どんな競技、レベルの大会でも監督の苦悩は変わらない。
甲子園を目指す高校野球の地方大会でベンチ入りできるのは20人。「高校最後の夏がベンチ外となっても腐らず、他人を思いやれる。つらい決断の後に、うれしい手紙をいただいた」。福岡県久留米市の祐誠高校野球部の関本康弘監督は目を細める。年配の夫婦から届いたのは20人の発表直後。足が不自由で、旅行帰りの電車で乗り合わせた同校生徒らしき若者に席を譲られ、荷物を運んでもらったことへの感謝がつづられていた。善行の主はしばらくして判明する。野球部75人の外野手の一人、堀江悠斗さん。メンバーが絞り込まれる過程で、外れそうだと自覚していた3年生である。
「当たり前のことをしただけ。ベンチには入れないが、チームのためにやれることをやる。一丸で甲子園へ」。
堀江さんはグラウンド整備や球拾いはもちろん、スタンドで使うプラカード作りやかけ声練習など応援の準備を進める。福岡大会が開幕した。胸も熱くなる夏本番が近い。
会ったこともない堀江さんのことを想像しました。きっと、甲子園出場を目指し、レギュラーとして活躍することを目指し、強い思いで今まで努力してきているはずです。しかし、高校最後の夏はベンチ外…。悔しい思い、つらい思いでいっぱいのはずです。しかし、そんな中でも人への思いやり、気づかいを忘れることなく、しかも「当たり前のことをしただけです」との言葉。人として本当に素晴らしいと思います。私は胸が熱くなりました。堀江さんは、野球というスポーツを通して、周囲の方の指導や関わりの中で、人として大切なことを学び、身につけ、成長されてきたのだと思います。
人生において、うまくいかないこと、思うようにいかないこと、頑張っても頑張ってもすぐに報われないことがたくさんあります。そういうときにも腐らず、前向きに自分ができることを続けていくその姿勢こそ、人としてとても大切なことだと思います。私も子どもたちと関わる中で、そのことを心がけてきたつもりです。部活動指導においてもバレーボールを通して、人としての「目配り・気配り・心配り」「礼儀やマナー」「ひたむきに努力すること」「チームワーク」「感謝」…など。教えているつもりが、子どもたちに私が教えてもらうことがたびたびあります。子どもたちは本当に素晴らしいです。人として大切なこと、忘れてはいけないことを堀江さんのように子どもたちが教えてくれる…。私たち大人が見習わなければと思います。