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【10月24日】力を出し切るために…

公開日
2023/10/24
更新日
2023/10/24

校長のひとりごと

 合唱練習まっただ中。子どもたち、そして先生方も一緒になって本番までの残り時間を大切にして頑張っています。あと3日、それぞれにできることを精いっぱいに取り組んでほしいと思っています(※写真は3年2組 音楽の授業中の様子です。体調不良等での欠席者も多い中、とてもよく頑張っていました!)。
 さて、PHPという小冊子にプロフィギュアスケーターでタレントの村上佳菜子さんの「見ている人はほんの少し」という文章が載っていました。

 村上さんは三歳からスケートを始め、中学生のときには国際大会に出場するようになり、中学三年生で世界ジュニア選手権で金メダルをとります。高校生になり、シニアの大会に出るようになるとプレッシャーに悩まされます。試合前には「ミスなくできるだろうか」と不安になり、どんどん緊張する。緊張すると物事を悪いほうに考え、ますます不安になる。これではダメだと、あるとき気持ちを切り替えるために「この試合を見ている人は、世界中に何人くらいいる?ほんの少しだよね」と考えることにすると、ふっと気持ちが楽になることに気づきます。それ以来、緊張するたびにそう考えたそうです。他の方法としては、好きな音楽に合わせて大きな声で歌いながらウォーミングアップをするという方法もとりながら、気持ちを前に向かせていたとのこと。
 しかし、その後も様々なプレッシャーの中でうまくいかず五輪代表選考会でもミス。しかし、それを取り戻すべく、気持ちを切り替え、コーチの方と相談し曲を変えるなどして、集中して練習に打ち込み、見事五輪代表となりました。その後も、気持ちの切り替えを大切にして楽しむことをモットーに現役を続けられました。タレント活動をされるようになってからも、緊張は相変わらずされるようですが、自分の直感を信じ、リラックスできる方法を考えているそうです。たとえば、「終わったら、あのケーキを食べよう」とか「○○に行こう!」というように、あとの楽しみを見つけてその場を乗り切ることも多いそうです。さらには、香り好きの村上さんは、お気に入りの香水やアロマを持ち歩き、リラックスしたいとき嗅ぐようにしているとのこと。現在は将来設計を考え、様々な活動をしている村上さん、もっと勉強し力をつけること、そして緊張する場面があっても、自分なりの方法でリラックスをして前に進んでいきたいと語られていました。

 ときどきテレビ番組にも出演されている村上さん。本当に笑顔が素敵で、いつもニコニコとされている姿をよく見ます。ご本人の言葉の中にも
「周りの方からはよく『いつも明るく、元気だね』『笑顔がいいね』と言っていただくのですが、もともとはあがり症で、すごく緊張するタイプです。でも、そういう印象を持っていただけるということは、自分の弱点を何とかコントロールできているのかな、と思います」
 と語られていました。とてもあがり症には見えないくらい、コメントもスラスラとされていますが実はそうだったということがわかりました。
 私も相当のあがり症で、人前に出る前もそして話すときもいつもドキドキしています。顔や耳が熱くなったり、足が自然と震えたりしています。挨拶や話などしているときは、自分を落ち着かせながら言っているつもりですが、きっとこの緊張感が伝わっているだろうと思います。
 が、「緊張した〜」と言うと、周りの方からは「まったく緊張しているようには見えませんでしたよ…」とも言われます。でも、実際はいつもそうなんです。もちろん、あいさつ等があるときは、どんなことを言うかは基本的に原稿を作成します。しかし、棒読みになっては伝わらないと思い、できるだけ原稿は見ないで、少しでも感情を込めて話したいと思っています。すると、大切なことを一つ二つ言い忘れ、あとで後悔しています。人に何かを伝えるって本当に難しいです。伝えたつもりではなく“伝わる”ようにすることが大事ですが…。
 また、人前で話すということだけでなく、緊張する場面はひとそれぞれにあると思います。村上さんが実践されているように、ネガティブなことばかり考えるのではなくポジティブな考えに変えることは大切だと思います。また、終わったあとの楽しみを考え、乗り越えることも効果的だと私も思います。

 金曜日の合唱コンクールのとき、子どもたちの中にはステージにあがるだけで緊張してしまう子もいるかもしれません。子どもたちには、頑張ってきたことを思い出す、仲間を信じる、指揮者・伴奏者を信じる、仲間と合唱ができる幸せを感じる、たとえその場にいない人であっても大切な人にしっかりと伝えたい、…そんな思いでいっぱいになれば、緊張よりも「出し切ろう!」とすることに繋がるかもしれません。どうせなら、すべてを出し切って終わってほしいと思います。
 今週金曜日、素敵な合唱コンクール、そして文化発表会になるよう、心から願っています。