【11月6日】どう歩くか…
- 公開日
- 2023/11/06
- 更新日
- 2023/11/06
校長のひとりごと
先週金曜日の交代式が終わり、廊下で出会った生徒会役員の子…
『せんせい〜、私、もっと頑張ります!…ありがとうございました!』
と、目を少し潤ませながら話してくれました。
「いえいえ、こちらこそ本当にありがとうだよ。これからもよろしくね!これからも後輩たちを支えてあげてね。次は、進路実現へ向けてしっかり頑張らなきゃね!そして、最後に日本一の卒業式にしようね!」
近くにいたもう一人の子も一緒にうなづいてくれました。
金曜日のひとりごとでもつぶやきましたが、こういう風にすぐに何かを感じてくれて、それを伝えてくれる素敵な感性。私は大野東中にきて、何度感動させられたことか…。本当に素敵な3年生です。
今日は、そんな素敵な3年生の第2回進路学習会でした。3年生は11月の実力テストも終わり、今日の説明会を受けて、二者面談、そして今月末からの三者面談後、「志願先確定届」を提出してもらうこととなります。
今日の説明会でも話をさせてもらいましたが、その選択が100%正しいかどうかなんて誰にもわかりません。しかし、いろいろと迷ったとしても、様々な情報や周りからのアドバイスをふまえ、自分自身で選択することが大切です。その上で最後まであきらめずに努力をし続ける…。そして第1志望がかなえられればたいへん嬉しいことですし、素晴らしいと思います。しかし、全員が選んだ第1志望に行けるとは限りません。
以前私が3年担任をしていたとき、体育祭リーダー、合唱リーダーなどを務め、いつも誰にでも優しく、クラスのためにとても貢献してくれた子がいました。もちろん、授業中の態度もよく、意欲的で成績もたいへん優秀でした。第1志望の公立高校には、絶対合格するであろうと、私は内心思っていました。しかし、結果は残念なものとなり、第2志望の私立高校に進学することになりました。公立高校合格発表の日の夕方、彼はお母様とともに来校しました。彼の目はずいぶん泣いたのか、赤くなっていました。そして、声を詰まらせながらも「先生、今まで本当にありがとうございました…これから高校でも頑張ります…」と、深々と頭を下げ、お礼を言ってくれたのです。もちろん、お母様も同様に…。不合格になって相当ショックを受けているその日に、わざわざ学校に来る子はほとんどいません。ましてや、お母様まで来てくださるなんて。私は、その親子の姿勢に感動しました。むしろ私の方が、その子にもずいぶん感謝をしていました。「これまで本当にありがとう。そして、本当によく頑張ったね!人生はこれからだから。高校はゴールではなくスタートなのだから…。君みたいに素晴らしい人なら、もっともっと伸びると思うし、これからも応援してるよ。わざわざ来てくれて本当にありがとう!」。お母様も隣で泣かれていました。この子が高校でまた頑張ったことは言うまでもありません。
進路選択や入試は子どもたちにとって、大きな選択であり、試練であるかもしれません。当然、将来のことを考えながら、周りにも相談し、最後は自分自身で進路先を決定していかなければなりません。そして決定したら、子どもたちは最後の最後まであきらめずに努力をする。私たち周りの大人は、子どもたちの希望を叶えてあげられるように精一杯の支援・応援をする。しかし、結果はどうなるかはわかりません。最終的には置かれた場所で、「どう頑張るか」が大切です。
人生は、まだまだ先が長く、思うようにいかないことも多々あります。社会に出れば「○○高校出身」なんていうことはちっぽけなことです。それよりも「何ができるのか?」「何を学んだのか?」「何を身につけているのか?」「人としてどうなのか?」の方が大きくなります。
子どもたちには、今できることに精一杯取り組んでほしいと思います。それはきっと、そのあとの人生の大きな「糧」となります。これからがきついかもしれませんが、素敵な仲間と励まし合い、互いに高めあい、伸びていってほしいと思います。
最後に、3年生の子どもたちに、私が若いときにある研修会で聞いた言葉を贈ります。
『どのような道を選んだかで一生の価値が決まるわけではない。たとえそれが、第二、第三希望の道であってもその道をどう歩いたかで人間の価値が決まる。自分自身の努力のあとが、大きな広い道として続くようなそんな生き方をしたいものである』