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【11月10日】にんげんとAI

公開日
2023/11/10
更新日
2023/11/10

校長のひとりごと

 先日、「交代式」をした生徒会役員の子どもたち。その後、各役職ごとに先輩である3年生が、後輩の役員に様々なことを優しく教えたり引継ぎをしている場面を見かけました。そして、今日の専門員会が旧役員にとっては、本当に最後の仕事となります。先輩たちが築き上げてきたものを引継ぎながら第54代の生徒会役員の子どもたちがまた新しい風を吹かせてくれることを期待しています。
 さて、今朝の西日本新聞のコラム『春秋』に次のようなことが載っていました。

 書店をのぞくと、著者が表紙で自信満々に腕組みをしている本を見かける。新しいビジネスや生き方を指南するような新書に多い。自身をアピールしているらしい。不安の多い世の中だ。自信満々に言い切れば、受け手も安心する。頼りたくなる(本を買う)。
 「自信満々にうそをつく」。生成AI(人工知能)については、そんな声を聞く。対話型「チャットGPT」の登場で身近になった。知りたいことを尋ねると答えてくれる。ところが間違いが結構ある。例えば本紙について「どんな新聞?」と尋ねると「広島県を中心に…」。本社所在地からデタラメだったりする。AIが事前学習したデータが不正確だったり、不十分だったりして生じる「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象。最新型はかなり改善されているようだが、とにかく自信満々に答えるから信じてしまう人が多い。罪深い。
 だけど、はるかに深刻なのは、人間がAIを悪用した偽情報だろう。特に世論誘導や選挙介入を狙うケース。イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突でも、偽情報はネット空間にあふれている。選挙介入を許すことがあれば、民主主義の根幹が揺らぐ。こうしたリスクをどう抑えるか。先週は英国で初の「AI安全サミット」があった。議論が本格化し始めた。人類が「破滅的な被害」を避けるには?正しい答えにたどり着こうと、世界中が腕組みしている。

 2004年のアメリカ映画で『アイロボット』といものがあります。あらすじは、2035年の未来、ロボットが人間のサポート役として家庭に溶け込み、人間はロボットにより快適な生活を送ることができていました。しかし、人間に支配され言いなりになっていたロボットたちが、感情を持ち、人を支配しようとし始めます…(観られていない方のためにあとは秘密で…)。
 20年近く前の映画ですが、私はそれを観たときにこんな時代ははるか先だろうと思っていましたが、ロボット技術の進歩で、ロボットが様々なところで活躍しています。また、シンギュラリティ(日本語では“技術的特異点”、別名:2045年問題)という言葉もあります。遅くとも2045年までに全人類を合わせた知能を超える知能を持つAI(人工知能)が誕生し、そのAI(人工知能)が自分よりも優秀なAI (人工知能)をつくり始める。新たなAI(人工知能)がまた次のAI(人工知能)をつくるという繰り返しが起こる。つまり、AI(人工知能)が爆発的なスピードで進歩を続け、予測できない存在となる。もちろんこのことについて否定的な意見もありますが、近年の凄まじい技術革新やAIの進化の状況を見ていると、可能性がまったく「0」だとは言いきれないところもあります。
 「チャットGPT」のような生成AIの誕生によって、早ければ2025年にシンギュラリティが到来するとの予測まで出てきています。こうした“進化系”ともいえるAIが誕生したいま、私たちの働き方はどのなるのか?あるサイトには「世の中ではさまざまな見解がなされていますが、AIができることはAIに任せ、人間は人間でなければできないことに集中する時代が、もう目の前まで迫ってきていると考えるべきです」と書かれていました。私たち人間は溢れる情報に惑わされることなく慎重に、そして人としての学びを進めながら様々なことに向き合っていかなければと思います。私はこういうことに関しても無知なところが多いので、もっと学び、正しく情報を取捨選択していかなければと思います。