【12月15日】可能性は無限大
- 公開日
- 2023/12/15
- 更新日
- 2023/12/15
校長のひとりごと
大野城市の本日の予想最高気温は23度、明日は15度、そして日曜からの一週間の最高気温はすべて一桁、週末の最低気温は氷点下の予報となっています。天気予報にも雪マークが付けられています。体が気温の変化についていけないような状況ですが、お互いに健康面には気をつけながら年末年始を元気に迎えたいものです。
さて、今日もデール・カーネギー氏の『人を動かす』の中から二つ紹介します。
「母親に励まされて大物歌手になった人物」
かつて十歳の少年がイタリアのナポリの工場で働いていた。偉大な歌手になって貧困から抜け出したかったが、最初の教師に「君は歌が下手だ。声が出ていないし、聴くに堪えない」とけなされ、すっかり自信を失った。
だが、少年は帰宅して母親に抱きしめられながら「きっと素晴らしい歌手になれるわよ」と励まされ、自身を取り戻した。母親には息子が着実に進歩を遂げているのが見えていたのだ。少年は母親のわずかな収入から授業料を払ってもらい、別の教師のもとで歌の練習を続けた。
少年は母親の励ましのおかげで人生を切り開き、やがてオペラ史上最も有名なテノール歌手になった。彼の名はエンリコ・カルーソーである。
「褒められて絶望から立ち直り、大作家になった青年」
ロンドンの乾物屋で店員として働いていた青年がいた。毎日、朝五時に起きて店内を掃除し、一日に十四時間働かなければならなかった。あまりの重労働のために、仕事がいやだった。
二年後、青年はついに我慢できなくなり、遠方で家政婦として働いていた母親に歩いて会いに行き、泣きながら「こんな仕事を続けるくらいなら死んだほうがましだ」と言った。さらに、母校の校長先生に手紙を書き、絶望のあまり生きる勇気を失っていることを伝えた。すると、校長先生は彼の文章力を高く評価し、教師として採用してくれた。
青年は校長先生に褒めてもらって、生きる勇気を取り戻した。その後、彼は作家に転身し、『タイム・マシン』や『宇宙戦争』などの人気SF小説を次々と発表して巨万の富を築いた。彼の名はH・G・ウェルズである。
エンリコ・カルーソー氏、H・G・ウェルズ氏について私は知りませんでしたが、調べてみると二人はそれぞれ「オペラ史上における高名なテノール歌手の一人」「SFの巨人」と呼ばれていることがわかりました。二人ともに、母親やそのときに出会った人に認められたおかげでその後の偉大な成功と功績があることがわかります。「褒める」「認める」「信じる」ということが、どれだけ偉大な力があるかを物語っているのだと思います。
子どもたちの悪いところや欠点についつい目がいくことがあるかもしれませんが、私たち大人が「よさを認める」「小さな成長を認める」そして「可能性を信じ支援・応援していく」ことがいかに大切か。そして誰しもが可能性は無限大で、誰も先のことはわからないということをしっかりと認識しておくことが大切だと思います。