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【1月17日】ともに…

公開日
2024/01/17
更新日
2024/01/17

校長のひとりごと

 本日1月17日、1995年の阪神・淡路大震災から29年を迎えました。お亡くなりになられた方へ、心より追悼の意を捧げます。
 以前私が担任した神戸からの転入生が、阪神・淡路大震災で被災し、家族で親戚の家へ行くために線路の上を延々と歩いたこと、自分の友達を亡くしてとてもつらく悲しい思いをしたことなどを話してくれたことを今でも思い出します。今朝、神戸では「1.17のつどい」が行われていました。29年経っても遺族の方の悲しみは消えないし、決してそのことを風化させてはいけないと改めて思いました。また、能登地震のこともあり、灯籠で「ともに」の文字がつくられ、ともに乗り越えていこうというメッセージも伝わってきました。
 今朝の西日本新聞『春秋』からです。

 人々の憔悴(しょうすい)しきった表情が、精神科医の目に焼き付いた。1995年1月17日に起きた阪神大震災。被災者の心のケアに奔走した故 安克昌(あんかつまさ)さんは、震災13日目に神戸市内の避難所に足を運んだ。「とりあえず今の生活が終わることだけを望んで、一日、一日を我慢している」。著書「心の傷を癒すということ」にこう書き記した。災害時の光景を思い出すフラッシュバック、犠牲者を助けられなかった罪悪感、避難生活のストレス…。専門医の克明な記録は、被災者の多くがさまざまな心の傷を抱えていたことを今に伝える。当時の過酷な日々は、発声から2週間を過ぎた能登半島地震の被災地と重なる。現在も1万数千人が避難生活を送る。
 心配なのは、心身の強い疲労が引き起こす災害関連死の増加だ。2016年の熊本地震では犠牲者276人のうち、建物倒壊など地震の直接被害で亡くなった50人の4倍超に上った。安医師は39歳だった2000年、肝臓ガンで死去した。NHKが2020年、その生涯をドラマ化した。家族との時間を慈(いつく)しみつつも主人公に死が迫る。「誰もひとりぼっちにさせへんてことや」。自らの気持ちと向き合う中で、心のケアとは何かを語る言葉が胸に迫る。
 きょう震災から29年を迎えた神戸市での追悼行事では、明かりをともにした灯籠を「ともに」という文字の形に並べる。苦しみの渦中にある北陸の人たちの心に、寄り添う思いを込めて。

 避難生活のストレスは、どれほどのものか…。関連死された方の人数が少しずつ増えている状況も含めどれだけ厳しいかが、毎日の報道の中でも伝わってきます。中学生の集団避難も今日から始まるとのことでした。不安と寂しさで泣いていらっしゃる保護者の方もおられました。食事やトイレ、睡眠やお風呂の問題、寒さや雪などの弊害、今後の生活の不安…厳しい状況はまだまだたくさんあります。多くの方々が関わり、地道な水道や電気の復旧も進められていますが、先の見通しの立たない、粘り強い支援が必要です。その中で被災された方々の体のケアだけでなく、心のケアがとても問題となっています。何度も言いますが、私たちが少しでもよりそい、それぞれにできることを考え、行動していくしかないのだろうと思います。
 そして、今日のような日に、改めて「命の大切さについて」「防災について」「人を思いやることや支え助け合うことの素晴らしさや大切さ」などについて改めて考えなければと思います。