【1月26日】まずは“踏み出す”
- 公開日
- 2024/01/26
- 更新日
- 2024/01/26
校長のひとりごと
リーダーシップ・行動心理学の研究者である池田貴将さんという方が書かれた『覚悟の生き方“超訳 吉田松陰”』という本があります。吉田松陰さんの数々の言葉や生き方を集め、編訳されています。その中に“松陰からの学び”というところに「動きながら準備する」と、下のようなことが書かれています。
やろう、とひらめく。
そのとき「いまやろう」と腰を上げるか、「そのうちに」といったん忘れるか。やろうと思ったときに、なにかきっかけとなる行動を起こす。それができない人は、いつになってもはじめることができない。むしろ次第に「まだ準備ができていない」という思い込みの方が強くなっていく。いつの日か、十分な知識、道具、技術、資金、やろうという気力、いけるという予感、やりきれる体力、そのすべてが完璧にそろう時期がくると、信じてしまうのだ。
だがいくら準備をしても、それが事の成否を決めることはない。いかに素早く一歩を踏み出せるか。いかに多くの問題点に気づけるか。いかに丁寧に改善できるか。少しでも成功に近づけるために、できることはその工夫しかない。
よく行動する人は、知識は必要最低限でいいと考える。なぜなら実際に動く前に、わかることなんてほとんどないと知っているからである。だからよく失敗する。だがそれで「順調」だと思っている。そのように私たちの脳は、自分の行動をうまく正当化するようにつくられている。小さくても、「一歩を踏み出す」という行為さえ続けていれば、「なぜこれが正しいのか」脳が勝手に理由を集めてくれる。
吉田松陰は、行動につながらない学問は無意味だと考えた。大切なのは、多くの失敗を重ねることができるか。そして「未来はいくらでも自分の手で生み出すことができる」という自信を、休むことなく生み続けることなのである。
思っても行動しなければ変わらない。よく言われることです。しかし、できない理由やしない理由を様々な挙げて、結局やらないまま時だけが過ぎていく。私は今までにもそんなことがありました。今でもまだまだです。もちろん、慎重に事を進めないといけない事柄があるのも事実ですが、やはり、行動したり実際に動きを始めたりしないと、現状維持どころか事が悪くなっていくこともあります。日頃から、行動するための力をつける努力も大切なのですが、それもやはり“行動”することにかかっています。「一歩を踏み出す」…たとえそれが小さな一歩でも。そして失敗したらまた軌道修正して動く。…その繰り返しで人は成長し、成功していくものだとこの“松陰からの学び”が改めて教えてくれます。