【2月1日】“読む”ということ
- 公開日
- 2024/02/01
- 更新日
- 2024/02/02
校長のひとりごと
明日は、福岡地区私立高校の「前期入試」です。また1、2年生は、5教科の実力テスト(総仕上げ問題)となります。それぞれが、自分自身の目標に向かって精一杯に取り組み、力を発揮してほしいと思っています。特に3年生は「合否」のつく入試ですので、そのプレッシャーもたいへん大きいものかもしれませんが、ぜひ、自信をもってこれまで努力してきたことを“平常心”で発揮してくれたらと思います。応援していますので…
元NHKアナウンサー(現在はフリーアナウンサー)の加賀美幸子さんの著書『こころを動かす言葉』の「“読む”には訓練の上に教養がいる」から抜粋します。
アナウンサーの仕事は「話すこと」とよく言われる。インタビュー、リポート、ナレーション、司会、その他、いずれの場合も音声表現にかかわるので、最終的には「話すこと」と言っても構わないのだが、私はアナウンサーに問われるのは「読むこと」「聞くこと」だと思っている。
「読むなんて、書いてあることを読み上げるのだから、多少の上手い下手はあっても、簡単ではないか」と考える人も中にはいる。しかし、書いてある内容をどう表すか…何度も申し上げるが実は、読む人間そのものが見透かされる誠に怖い仕事でもあるのだ。朝日新聞にある時、永六輔さんが、有り難くもアナウンサー加賀美について触れてくださったコーナーがあった。個人的なことは略して、一般論の部分を引用させていただく。
「(略)アナウンサーのタレント化が話題になっているが(略)読むという基礎が出来ないアナウンサーは、タレント化せざるを得ないのだ。『話す』という技術は訓練の必要がないままで通用することも多いが、『読む』ということは訓練の上に教養がものをいう…」
タレントとして、表現・内容とも併せ持ち、素晴らしい活躍をされている方々も多いが、「読む」ということの難しさと深さについて、明快に示してくださった記事が忘れられない。「読む」ということの難しさと深さについて、明快に示してくださった記事が忘れられない。「読む」ということは、「声に出して、書いてあるものを読み上げる」ということではなく、時代を読む、情勢を読む、人の心を読む、内容を読む…など、どこまで、対象や求められていることの中身を読み取ることができるか、そして、我々放送人なら、それをどう伝えられるか、会社なら、どう仕事として実績をあげられるか…ではないだろうか。よく読み取れていれば、余裕もできるので、アナウンサーとしても、過ぎず足りなくもなく、自然で存在感のある仕事が身についてくるような気がする。何の場合でもそうではないだろうか。
私は本当にまだまだ勉強不足で知らないことも多いです。一方で様々なところで「話す」場面があります。原稿をつくりはしますが、やはりその内容や背景、意味などを学んだ上で話すのと、表面上、その原稿を読むのとでは大きく違います。ましてや、原稿を作るにしても、よく学び、よく知り、どう伝えるか、どのように伝えるかで、使う言葉や表現も違ってきます。アナウンサーの方が原稿を読まれるときに、そのことについての知識や背景や状況がわかっている場合とそうでない場合は、確かに違ってくるだろうと想像できます。
だからこそ、私たちは学び続けなければならないと思いますし、少しでも社会に貢献できるよう、最新の情報を入れながら、絶えず自分自身が向上心をもって“教養”を積み、日々取り組まなければと思います。
まだまだ、いろいろな面で“足りない自分”に反省です…