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【2月16日】幸せ

公開日
2024/02/16
更新日
2024/02/16

校長のひとりごと

 『1日1話、読めば熱くなる365人の生き方の教科書』に女優でタレントである黒柳徹子さんの「本当の幸せはどこにあるのか」という文章を載せます。

 ソントン・ワイルダーというアメリカの作家が書いた『わが町』というお芝居があります。主人公はエミリーという女の子ですが、彼女は自分の子どもを産んだあと、二十何歳かで死ぬんです。お姑さんたちは先に死んでいて、舞台の右と左にこの世とあちらの世界があるという終わりのほうのシーンで司会者が、「自分が一番幸せだったと思う日、たった一日だけこの世に帰らせてあげる」というんです。エミリーは十二歳のお誕生日の日を選びます。
 お父さんお母さんはもちろん若いですよね。エミリーは「パパとママがこんなに若かったなんて知らなかった」なんて初めて気がつくんですね。家の中やお庭には懐かしくて素敵なものがいっぱいある。でも、皆素敵だから当時はわからなかった。そして再び死んだ人の世界に帰って、「本当の幸せがわかっていなかった。命が何万年もあるみたいに思い込んで。人間って、生きているときって、何も見えていないんですね。家族がちょっと顔を見合わせたり、いまが幸せだということに気づいてはいなかった」と姑に言うんです。
 昔、私もエミリーの役を演(や)ったことがあって、演っているうちに涙が出てきてしまうようなお芝居なんですが、幸せって何だろうと考えるとき、そのときそのときの自分が幸せだと感じられればいいんだけれども、親と顔を合わせる暇もないほどに忙しくしてしまって、なかなか気がつかないんですね。ちょっとでも立ち止まって親の顔を見るとか、友達のこと、親切にしてくれる人のことを少しでも思ってみることができれば、生きているうちに幸せをかみしめることができるんじゃないかと思います。

 日常の小さな幸せに気づかない。本当は当たり前ではない当たり前に感謝できない…そんなことはないでしょうか?
 今日午前、大城小学校の学校運営協議会に出席させていただきました。その中である委員の方(大野東中学校の子どもたちのためにも多大なる貢献をされている方)がこんなことをおっしゃいました。
「先日、大城小学校の家庭教育学級で藤田校長先生の講話を聞く機会がありました。その中で、藤田校長先生がこの職を選んだのは、憧れていた先生の存在があったからだとおっしゃいました。藤田校長先生が憧れた先生も素敵だと思うし、そういう気持ちで先生になられた校長先生も素敵だと感じました。私たち大人が、子どもたちに憧れられるような存在でありたいと思います。私自身も誰かから、○○さんのような大人になりたいと思われるような人になりたいと思います。私は、たくさんの人に支えられてます。たくさんの人のおかげで生きています。この運営協議会の方をはじめ地域の方、たくさんの方に心から感謝しています。本当にありがとうございます…」
 その言葉を聞きながら私は胸がじーんとしました。そんなときに私にも感想を…と言われ、しどろもどろになりながら、こんなことを言った気がします。
 私は、能登半島地震からまた改めて、子どもたちが学校に来てくれるだけでありがたい。子どもたちと一緒に活動できる。それは当たり前ではない。だから、子どもたちがいてこの仕事ができることに感謝をしています。これからも私たち大人が「チーム」となって、子どもたちのために頑張らなければと思います…と。(きっと、聞かれた意図とは違うのですが…)

 様々な方の話を聞くこともとても勉強になります。そして、たくさんの人との出会いがいかにかけがえがないか。奇跡であれ、運命であれ、その出会いを大切にしたいと思います。「日常」を当たり前と思わず、もっと日々の小さなことにも「感謝」の気持ちをもって、かけがえのない命を精一杯に使って生きていかなければと思います。
 藤田校長先生をはじめ、大城小学校の学校運営協議会の皆様、今日もお世話になりました。そして、ありがとうございましたm(_ _)m