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【2月15日】立腰

公開日
2024/02/15
更新日
2024/02/15

校長のひとりごと

 立腰教育の先駆者として有名な森信三さんという哲学者であり教育者の方がおられました。「立腰」とは、人間の心と体は密接に関わり合っているから、心を立てようと思うならまず体を立てなければならない。腰骨の立った子どもを育てなさいということが、森さんの教えでした。この「立腰」を取り入れている学校もたくさんあります。もちろん、健康志向の強い昨今では、「姿勢の大切さ」については、様々なところで言われるようになりました。そんな森さんに様々な教えを直接受け、小学校で六年間、その後「あゆみ保育園」を自らつくられ三十年以上、その教えを実践されてきた福永道子さんという方が、月刊誌『知致』に寄稿されていました。その中からいくつか抜粋します。

◆(担任した小学校のクラスが落ち着かないとき先輩の先生から言われた言葉)
「あなたは朝から髪を振り乱してバタバタと走り回っている。まずは落ち着いて座りなさい。あなたが落ち着かない限り、クラスは決してよくならないでしょう」
◆森先生が提唱されたしつけの三原則「朝のあいさつ人より先に」「『はい』の返事」「履き物をそろえる。立ったらいすを入れる」を参考に「あゆみの子、四つの約束」をつくりました。「腰骨を立てたよい姿勢」「短くてはっきりよい返事」「朝のあいさつ、人より先に」「脱いだ靴はそろえましょう」。
 加えて、森先生があゆみの子どもたちのためにつくってくださった「しっかりした子になるための三つの約束」…「いつも腰骨の立った子に」「いつもありがとうの言える子に」「いつもすみません、ごめんなさいの言える子に」これらの七つの約束を「あゆみ教育」として毎朝集い朗読し、実践しました。
◆森先生の代名詞である「人生二度なし」。死んだら二度と生まれてこられないこと、真剣に生きなければやり直しがきかないことは、誰もが何となく理解したつもりになっていることでしょう。森先生はそれを、「人生二度なし」とズバリと言い切られているため、聞く人の心に強烈に突き刺さり、内省を促すのです。
◆森先生は大事だと思われたことは、しつこいくらいに繰り返されました。あの小さなお体のどこにあれほどのエネルギーがあるのかと思うくらいに、それは熱意を込めて説き聞かせてくださったものです。その筆頭ともいえるのが、立腰ではないでしょうか。腰骨を立てなければ、生命力の源泉である丹田も充実しません。私のこれまでの教育人生では、しんどいと思うこと、気力が萎えてしまうことも山ほどありました。そんな時に腰骨を立てると、自ずと丹田も充実し、問題を乗り越える気力が満ちあふれてくるのです。

 あまり姿勢のよくない私は、これを打ちながら、腰骨を立てなければと反省です。まずは、姿勢をよくすることが、心と体の充実に繋がることは以前から聞いていましたし、すぐ姿勢の悪くなる自分を何度も反省しつつできていない私は、本当の反省になっていないと思います。今、腰が痛くなるくらい力を入れ、この文章を打っています。これが少しでも続くよう、今度こそ頑張らなければ…そして、姿勢のよい自分が当たり前になるように、自然と立腰ができているようにならなければと思います。(がんばろ…)