【2月27日】美しい平和な世界
- 公開日
- 2024/02/27
- 更新日
- 2024/02/27
校長のひとりごと
大谷翔平選手が感銘を受けた人ということでも話題になっている、中村天風(本名:中村三郎)という方がおられました。本屋さんにもその方の著書がたくさん並んでいます。1876年生まれ(1968年没)の哲学者&実業家で、インドからヨガを初めて日本に紹介した人物としても知られています。一方で、中村天風氏は、ニューヨークにあるコロンビア大学医学部に通っていて、西洋的な医療についても学んでいたといわれています。つまり、西洋と東洋が融合した哲学の持ち主でした。そんな中村天風さんの著書『ほんとうの心の力』からです。
「勇気づける言葉」
相手の言った言葉にひっかからないようにしなさい。すぐひっかかってしまうんだから、わざわざひっかかりにこちらから行くあわてものがいる。
とにかく一日の人生を生きるときに、お互いの気持ちに勇気をつける言葉、喜びをわかち合う言葉、聞いても何となく嬉しい言葉をいい合おうではないか。
人間の気持ちは誠におそろしいものである。たとえ、医学上からみれば助からないような病人の枕元に行っても、こちらが元気で積極的態度のときには、その人間の状態がずうっと良くなってしまうものだ。私はそれで、どれほど危篤になっている人間を助けてきたかわからない。「さあ心配するな!俺が来たからもう大丈夫だから、いいか!俺が駄目だと言ったら覚悟しろ。俺が駄目だと言わなければ大丈夫だから!」というとずうっと勇気が出てくるものです。
だから私はいつも言う。お互い勇気づける言葉、喜びを与える言葉というような積極的な言葉を使う人が多くなれば、この世は期せずして、もっともっと美しい平和な世界になる。
「病は気から」という言葉はよく知られています。そしてそれをすべて正しく証明はされていなくとも、数々の実験データや症例などが、その言葉の裏付けになっていると様々なところに書かれています。中村天風氏がいわれている「勇気づける言葉」「喜びを与える言葉」をもっともっと互いに言えるようになれば、病気だけのことに限らず、争いごともなくなっていくのかもしれません。しかしながら、互いが私利私欲で溢れ、自己中心的な行動、相手を思いやらない行動ばかりになれば、当然ながらそこには対立が起こり、争いごとへと発展していくのかもしれません。やはり私たちが日常の中で、互いを理解しようと、言葉を大切にしたコミュニケーションをとり、相手意識や利他の心をもって生活することが何より大切なのだと中村天風氏は教えてくれているのだと思います。