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【3月7日】いよいよ…

公開日
2024/03/07
更新日
2024/03/07

校長のひとりごと

 3年生の修了式が終わりました。3年生にとっては、明日の第53回卒業式を残すだけとなりました。今日私は、修了式で大きく2つのことを話しました。
 1つめは「命を大切にすること」です。能登半島地震をはじめ様々な災害、世界を見渡せば、戦争や紛争が続いている現状…それらのことをことを考えるとやはり、この日常は「当たり前」ではありません。とてもありがたいことです。私たちは、かけがえのない命を授かり、今ここに「生きている」。いや、たくさんの「おかげ」で「生かされている」。だとするならば、そのことにきちんと感謝をし、これからも自分の命も周りの人の命も大切にしなければなりません。そして、命を大切にするということは、その命を精一杯に使って、様々なことにチャレンジし続けることだと思います。
 2つめは、集大成である「卒業式」を最高にするための3条件についてです。「凜とした姿勢」「心を込めて仲間とともにつくる歌」そして、呼名のときの「はい!」という返事です。名前を呼ばれた瞬間は、その人だけが会場で主役になるときです。15年分の成長や思い、15年分の感謝、未来への頑張る決意が伝わるような「はい!」を言ってほしい。願いや思いの込められた名前を担任の先生が呼ぶので、心で返してほしい。保護者の方や家族は、その「はい!」をドキドキしながらも耳を澄ませ聞いています。「はい!」で保護者や担任の先生、参列している人すべてを感動させてください。それが、君たちの中学校最後の大切な使命だと私は思っています。最後までかっこいい先輩でいてほしいし、素敵な3年生として卒業してほしい。君たちならきっとできる!比べようはないけど、日本一素晴らしい卒業式だったと誇れるような素敵な卒業式にしましょう!…

 私は親としての自分の経験も交えながら、親がどんな思いでいつも子どもたちを見守っているか、どんな思いで卒業式に出席するのかなど、精一杯に伝えました。どれだけの子どもたちに伝わったかはわかりませんが、少なくとも子どもたちは真剣に最後まで聞いてくれました。きっとこの子たちならやってくれます。
 また、明日の式では「国歌・校歌」の他に、「式歌“群青”」を合唱します。以前、ひとりごとでもこの曲について紹介しました。
 福島県南相馬市立小高(おだか)中学校の校区は2011年の東日本大震災による原発事故のため、多くの住民が北海道から九州まで、散り散りに避難しなければいけませんでした。当時、平成24年度の卒業生が中学1年生の時です。学年の生徒は106名、2人は津波の犠牲になり、97人が避難のために街を離れました。残った生徒はわずか7名。2年生になったその子どもたちが大きな日本地図に仲間の顔写真を貼り付けながら、「遠いね」「でもこの地図の上の空はつながってるね」など、口々につぶやき出したそうです。その日から小田美樹先生は子どもたちのつぶやきを綴っていきました。そのつぶやきこそが、この「群青」という歌詞になったのです。仲間の命を、みんなの日常を奪った大地震。当たり前が当たり前でなくなり、会いたくても会えない現実。さみしくてたまらなくて…でも、この空はどこにいても繋がっている。だから諦めない。私たちもきっと繋がっている。だから、これからもそれぞれに希望をもって頑張り続ける。そうすれば、きっと、きっと離れていてもいつか会える。そして、明るい未来を信じている…

 そんなたくさんの思いがこもった曲を、子どもたちが精一杯に歌います。今日の卒業式リハーサルのときに聴いて、胸が熱くなりました。もしかしたら、明日は涙で十分に歌えないかもしれないけれど、きっと思いのいっぱいこもった素敵な歌になると信じています。

 それにしても…
 今日も3年生はあたたかかった。やさしかった。下校時、校門に立っていた私に、多くの子どもたちが声をかけてくれました。本当にありがたい。たった一年間の関わりではありましたが、たくさんの感動と幸せを子どもたちからいただきました。子どもたちに、心から感謝しています。
 明日の卒業式…子どもたちと先生方、そして来校していただく保護者の皆様、来賓の皆様で、あたたかく、感動的な、素晴らしい卒業式にしたいと思います。どうか、子どもたちの旅立ちを皆さんで盛大に、そしてあたたかく祝福していただきますよう、よろしくお願いします。