【5月28日】整理整頓
- 公開日
- 2024/05/28
- 更新日
- 2024/05/28
校長のひとりごと
『超訳カーネギー 道は開ける』の中に「整理整頓を心がける」というところがあります。
さまざまな案件に関する書類が机の上に散らかっている人でも、重要案件だけを残して机の上をきれいに片付けると、仕事が以前よりもはかどる。それは効率よく働くための絶対条件だ。
整理整頓はビジネスの鉄則である。ところが多くのビジネスマンの机は、何週間もほったらかしの書類であふれているのが現状だ。そんな机を見るだけでも、ストレスがたまり、憂うつな気分になってしまう。未処理の案件が山積していることをたえず思い知らされると、心労が重なって血圧が上がり、心臓の調子を悪くし、胃潰瘍(いかいよう)を患(わずら)いかねない。
ペンシルベニア大学医学部のジョン・ストークス教授はアメリカ医師会の総会で、「やらなければならない案件がたくさんあって重苦しい気分になることが、精神を病んでしまう最大の原因のひとつだ」と指摘している。
私は何度か学校だよりやひとりごとなどに「整理整頓」について載せたことがあります。一部紹介します。
長沼 健(ながぬまけん:2008年他界)さんという方がいらっしゃいました。サッカー元日本代表、そして日本代表監督、日本サッカー協会会長を務めた方です。その方の講演会での話です。長沼さんはこう言われました。「サッカーが上手になる人に共通していることが2つあります。何だと思いますか?」…その答えは、『挨拶』と『整理整頓』だそうです。そして、その講演を聞いていた元読売巨人軍監督でV9を成し遂げた「打撃の神様」こと川上哲治さん(2013年他界)も「野球でも同じだ」と言ったそうです。
「でも、2つができなくても上手な人はいるでしょ?」
と思われた方がいることと思います。当然ながら、その講演会の中でもその質問が出たそうです。そのとき長沼さんは「いません!」ときっぱりと答えたそうです。また、「2つができてもサッカーが上手にならない人もいるでしょ?」という質問も出たそうですが、その問いにも「いません!数千人にサッカーを教えてきましたが、サッカーが上手になる人は、なぜか挨拶と整理整頓がきちんとできる人なのです。なぜだか私にもわかりません」と答えたそうです。
先日引退を表明した元日本代表でキャプテンもされた長谷部誠さんもその著書の中で「整理整頓」の大切さを挙げていました。整理整頓をすることで頭と心の整理ができて、それがプレーに生かされると。実は、スポーツの世界だけではなく、東京の有名進学校の進学担当の先生も勉強のできる人の条件に、『挨拶』と『整理整頓』を挙げていた方がいるとのことでした。
「挨拶」の大切さも様々なところで言われますが、それと同じくらい「整理整頓」の大切さも言われます。以前、先輩の先生にこんなことを言われたことがあります。
「自分が整理整頓ができていなくて、必要な書類を探している時間があるとすれば、それはおかしいよね。書類を探す時間に給料は払われていないから…」
私は、「なるほど…」と妙に納得したことを覚えています。雑然とした中では落ち着かない私は、できるだけ整理整頓を心がけているつもりです。どんなに忙しくても、書類が回ってくればできるだけ速やかに処理して提出したり、すぐにファイリングしたりして、机の上が書類で溢れないようにしてきました。そうしないと落ち着かないし、仕事をする気になりません。それでも、出張している間に書類やメモが机上にたくさん置かれ雑然となっていることもあります。そのときはまず、片付けと整理整頓から始めたりします。心がけていることは、短時間でできそうな仕事は、別の仕事をしていても「今すぐ」終わらせて処理し提出する。また、仕事の優先順位を考え、一覧にして、終われば消していくというようなことをいつも行っています。
それでも私は整理整頓が十分であるとは言えず、もっと片付けたいと思いながらできていないところもたくさんあって、「まだまだだな…」と思っています。
皆さんは「整理整頓」、できていますか?