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【11月22日】気配り

公開日
2024/11/22
更新日
2024/11/22

校長のひとりごと

 経営コンサルタント、小宮一慶さんの『松下幸之助 パワーワード』からです。


 「小さなことができる人間は信頼され、仕事ができると評価される」

 時が来ないと成らないことが、世の中にはあります。冬の間に桜の木がエネルギーをためているように、人も、花が咲くときを、じっくりと待つことです。「チャンス」の対の言葉は、「準備」です。準備を念入りにすればするほど、時が来たら、大きな実がなるのではないかと思います。同時に、準備の際には小さなことをおろそかにしてはいけません。中国の思想家・荀子の言葉にも、「着眼大局・着手小局」があります。

 大きなことを成し遂げるためには、大きなビジョンを持って準備を進めることも大事ですが、まず、身の回りの小さなことをきちんとやっていくことです。小さなことをきちんとできない人は、何事もうまくいかない。私は創業経営者で大成功した人を何人も知っていますが、例外なく、気配りの利く人ばかりです。小さなことに気づき、それがきちんとできる。だから、大きなこともできて、人の上に立てるのです。

 私の知り合いの敏腕経営者が、よく言っています。

「会社の中でゴミが落ちているとか、コピー機のフタが開いているとか、気づくのはだいたい私なのですよね」

 と。大変に多忙でも、オフィスのフロアの細かい部分にまで、普段から目が行き届いているのですね。逆に言えば、だから経営者になれたとも言えます。

 幸之助さんもあれほどの大企業のトップでありながら、細かいことによく気がつかれたと聞きます。何でも秘書任せにしたり、部下に押しつけるような方でしたら、あれほどの人望を集めることはできなかったでしょう。ご自身が小さなことをおろそかにされなかったので、周りの人たちも見習うようになり、それがよい社風へと繋がっていました。その上で、小さなことをきちんとできる部下を認め、重用していたことで、さらに社員が小さなことをおろそかにしなくなるという、プラスのスパイラルを生んでいたのです。


 気配りのできる人、本当に素晴らしいと思います。そしてそれを当たり前のように、しかもさりげなくできる人は本当に尊敬します。また、「準備」の大切さは仕事においてもスポーツの世界でも、一流の人は皆、とても大切にされます。それは、チャンスが巡ってきたとき、時が来たときに、十分に力を発揮できたり、成功に繋がっていったりすることを意味します。やはり、日々の小さな積み重ね、小さな努力の積み重ねこそ大事なのだと思います。

 まだまだ、人には偉そうに言いながら「目配り・気配り・心配り」と「準備」の足りない私です…