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【1月20日】忘れてはいけないこと

公開日
2025/01/20
更新日
2025/01/20

校長のひとりごと

 『月刊朝礼(編集部)が本気で考えた朝礼ネタ』からです。


 ユニセフ親善大使として、発展途上国を訪れ、難民や孤児を慰め励ましている黒柳徹子さんが、ハイチを訪れたときのことです。この国では、いまだ政治が不安定で、経済的なしわ寄せが、全ての子どもたちに押し寄せているといいます。病院でも未熟児のための保育器が少なく、助かる見込みのある赤ちゃんだけを選んで入れるという悲惨な状態を目のあたりにして、彼女は深い悲しみを覚えたということです。

 沈痛な思いで、次に児童養護施設を訪れた彼女を待っていたのは、笑顔でハイチの歌を歌ってくれた小さな子どもたちでした。その姿に胸を打たれて思わず涙ぐんだ黒柳さんの涙は、孤児たちには何よりの贈り物となりました。その夜、大統領から、黒柳さんに次のような電話が入ったのです。

「日本から来た女の人が、自分たちのために泣いてくれた。心の優しい人だから大統領からお礼を言ってほしいと言われたので…」。

 彼女はこの言葉を聞いて、貧しく困難な暮らしのなかでも、笑顔と感謝を決して忘れないハイチの子どもたちの素晴らしさに感動したといいます。一方で、いじめの絶えない日本の子ども社会を思い、豊かさだけでは人間は幸せになれないと思ったといいます。考えさせられる話です。


 プラン・インターナショナル・ジャパンのホームページには、ハイチについて次のように書かれていました。


 カリブ海に浮かぶハイチは、西半球の最貧国に位置づけられ、長年にわたる政情不安や、頻発する自然災害の影響を受け、基礎的な社会基盤が整備されていません。そのため、安全な水や衛生施設の利用が限られ、保健や教育サービスが不足しています。多くの人々が農業に従事していますが、農業技術や生産性が低いため食糧自給率が低く、特に農村部の貧困状況は深刻です。また、2010年1月に発生し甚大な被害(死者20万人以上)をもたらした、マグニチュード7.0の大地震のあと、復興に取り組んでいますが、多発するハリケーンなどの自然災害により最も影響を受けているのは、貧困層の人々、なかでも弱い立場に置かれた子どもや女性たちです。


 ハイチではハイチ人の2人に1人が十分な食事を得られず、200万人が緊急レベルの飢餓に直面しているとも言われています。学校に行くとか教育を受けるとか以前に、その日を生きていくことすら難しい状況に置かれています。

 本当の幸せって何でしょうか?優しさって何でしょうか?どのような状況であっても優しさや思いやりを失わない心。笑顔や感謝を忘れないこと。誰かの笑顔のために頑張ること…。子どもたちにはそんな気持ちをもっていてほしいです。SNSを使って他人のことを誹謗中傷したり、人をいじめたり傷つけたり、自分を振り返ることなくすぐに他人のせいにしたり…そんなことがあってほしくないと思います。

 便利で豊かな時代、人として忘れてはいけない大切なことがあるのだと改めて思います。