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【6月12日】三つの特性

公開日
2024/06/12
更新日
2024/06/12

校長のひとりごと

 先日、九州南部が梅雨入りしたということです。いよいよ福岡の梅雨入りも秒読み段階です。昨日はたいへん蒸し暑く気温も30度を超えていました。先週の陸上競技大会に続き、今週末からはサッカーや軟式野球などの大会が実施されるのですが、天候が心配です。子どもたちが、今までの練習の成果を十分に発揮して、素晴らしい試合をしてほしいと思います。
 さて、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』に筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ教授の松崎一葉(まつざきいちよう)さんの「ストレスに負けない生き方」というところがあります。

 かつて医療社会学者のアーロン・アントノフスキーが強制収容所から生還した人たちの健康調査を継続的に行ったところ、一部の人たちはとても長生きをしたことが分かりました。共通して次の三つの特性を持っていたと報告しています。
1 有意味感
 辛いこと、面白みを感じられないことに対しても、意味を見いだせる感覚。明日ガス室に送られるかもしれない中でも、自暴自棄にならずに、きょうの労働に精を出せること。我々のレベルに置き換えると、望まない部署に配属されても、「将来何かの役に立つかもしれないし」と思って前向きに取り組めることといえます。
2 全体把握感
 「ひとまず夜がくればこの過酷な労働も終わりだ」とか、「いつかは戦争が終わって解放されることもあるだろう」と思えること。先を見通す力、とも置き換えられるかもしれません。仕事に転じれば、例えば今週は忙しくて土日出勤になっても「なんて忙しいんだ」と思うのではなく、「今週は休めなかったけど、来週のこの辺は少し余裕ができるから、そこで休めるな」など。先を見て心の段取りが取れること。それはそのまま仕事の段取りに通じます。「来週のこの辺で忙しくなりそうなので、他部署からヘルプをお願いできませんか?」と、パニックになる前に助けの要請を出せることで、自分もチームも円滑に仕事が回せるのです。
3 経験的処理可能感
 最初はこんなことは絶対にできないと思っても、「そういえばあの時もできないと思ったけど、意外とできたよな。今回もできるんじゃないかな」と思えること。初めて手がける仕事でも、過去の経験からこの程度まではできるはず、でもその先は未知のゾーンだと冷静に読める。ただ、その未知のゾーンも、あの時の仕事の経験を応用すればできるかなとか、あの人に手伝ってもらえそうだなと把握できる感覚です。また、学生時代に努力して練習して優勝したとか、頑張って勉強したら志望校に合格できたという経験から、「今回も自分はできる」と思えることも大きく捉えれば経験的処理可能感といえるでしょう。

 私の母は、「よいことも悪いこともすべてに意味がある。だから常に笑顔笑顔、感謝…」とよく言っていました。きついときや苦しいことが続くと、「何で自分ばかり…」と思ってしまうことがあるのですが、きついことや苦しいことを乗り越えることで自分自身が精神的に強くなったり成長したりするのだと思います。また、「やまない雨はない」「苦あれば楽あり」などの言葉に代表されるように、これを乗り越えれば、これが終われば楽しいことがある、この先に幸せがある…などと思えると、モチベーションも上がります。さらに、様々な経験を積むことによって、見通しができたり、あれができたのだから今回だってきっとできる!という展望や自信につながったりするのだと思います。
 要は、心の持ちようであり、ポジティブな考えが大切であり、そして決して一人ではなく周りで支えてくれる人がいる、応援してくれる人がいるということを思いながら乗り越えていくことが大切なのだろうと思います。子どもたちも前向きな気持ちを持ち続け、様々なことにチャレンジし、困難をも乗り越えてほしいと思います。
 テスト前の今、大東の子どもたちは、まだまだ頑張っているかなぁ。きついかもしれないけど、努力していることは決して無駄にはならない。きついときは、友達の顔を思い出して、「きっと友達も頑張ってる。だからもう少しだけ頑張ってみよう!」…そんな気持ちで粘り強く努力を積み重ねてほしいと思います。頑張れ!大東の子どもたち!!