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【6月17日】青い星

公開日
2024/06/17
更新日
2024/06/17

校長のひとりごと

 午前中に「九州北部が梅雨入りしたようである」との報道があっていました。平年より13日遅く、昨年からは19日遅いとのことでした。今日も気温は高くありませんが、湿度が高く蒸し暑い状況です。これからの季節は大雨等にも十分に気を付けて過ごしていかなければと思います。
 今朝の西日本新聞のコラム『春秋』からです。

 「月へのはるかな旅で発見した最大のものは、地球だった」とウィリアム・アンダースさんは話していた。初の有人月周回を体験した米アポロ8号(1968年)の搭乗員の一人だ。38万キロのかなたで発見した最大のものは地球の美しさだった。月の地平線から昇る地球をカラーフィルムで撮った。漆黒の闇にぽっかり浮かぶ青い惑星。8号の後のアポロ宇宙船の搭乗員たちも、古里の惑星をカメラに収めた。
 記憶の中の写真に詩を重ねてみる。<生まれてこのかた/なにに一番驚いたかと言えば/水一滴もこぼさずに廻る地球を/外からパチリと写した一枚の写真>。茨城のり子さんの「水の星」。<こういうところに棲んでいましたか>。
 こんなにも青い星に私たちは…と思った人が世界中にいる。写真が「地球市民」の意識を持たせ、さまざまな地球環境保護活動を動機づけた。米ライフ誌は「世界を変えた100枚の写真」(2003年)の表紙にアンダースさんの写真を選んだ。写真を撮った日はクリスマスイブだった。地球の神秘的なたたずまいの中に、もろさのようなものも撮影者は感じていた、と伝えられる。地球帰還後は原子力規制委員会の初代委員長などを務め、米西海岸のワシントン州に住んだ。
 一人で乗って操縦した小型飛行機が先日、シアトル沖の海域に落ちた。90歳。美しく青き惑星の、海に還(かえ)ると決めていたかのような最後だった。

 アンダースさんが55年前、人類で初めて月軌道に進入した宇宙船「アポロ8号」で月面の上に地球が浮び上がる姿を捉えた歴史的な写真「Earthrise(地球の出)」はあまりにも有名で、多くの方が見たことがある!というものです。月から人類が初めて見た地球はあまりにも美しく、壮大で神秘的なのだったのだろうと想像します。
 アンダースさんはこんな言葉を残しています。
「我々は月を探査するためにここまで来たが、最も重要なのは地球を発見したことだ」。
 そんな美しい地球を守らなければと、様々なところでその写真が使用され、環境を守るための運動や活動が行われていたのです。地球に住む一人として、考えなければいけないことがたくさんあるのでしょうが、人間は毎日のことに追われたり、他人事として物事を捉えたりして、地球が危機的な状況に陥っていることは事実です。一人一人の力は小さくても、何ができるかを考え、小さな努力や心がけを継続していかなければならないと思います。