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【3月3日】早く鎮火しますように…

公開日
2025/03/03
更新日
2025/03/03

校長のひとりごと

 3年生は、3月5日(水)が公立高校一般入試、6日(木)が修了式・同窓会入会式、そして7日(金)が3年生にとっての集大成である「第54回卒業式」となります。いよいよ旅立ちの日を迎えようとしています。これまでも常に全力で様々なことに頑張ってきた3年生ですから、きっと素晴らしい態度、返事、歌で最高の卒業式にしてくれると期待しています。そして、3年生の子どもたちが、気持ちよく晴れやかな気持ちで卒業できるよう、1、2年生の子どもたち、そして職員一同でしっかりと準備をして、送り出したいと思います。

 さて、昨日3月2日の西日本新聞のコラム『春秋』からです。


 太平洋に突き出た一帯が火と煙の海になった。岩手県大船渡市の山火事は発生から4日たっても燃え広がり、不安で眠れない人を増やし続ける。林野庁の2018年~22年データによると、日本では毎年千件以上の山火事があり、焼損合計面積は年平均で650ヘクタール。既に1400ヘクタールを焼失した大船渡の火災はその2倍を超えている。東京ドーム300個分に近い。

 世界では大きな山火事が毎年のように起きる。鎮圧まで3週間かかった今年1月の米ロサンゼルス近郊火災は、焼失面積の大きさでも世界を驚かせた。東京ドーム3千個以上とも報じられる。

 消火技術がどんなに進化しても、山林火災や森林火災の消火はままならない。ロシアのように、消火に要すると予想される費用が被害予想額を上回り、人家に危害が及ぶ恐れがない場合は消火しなくていい、という政令を作った国もある。

 大船渡の消火にあたって消防庁は、東北を中心に8県に緊急消防援助隊の出動を要請した。遠くは新潟からも消防車が駆けつけた。延焼が止まらないため、首都圏の4都県にも応援を求めた。空と地上から懸命な消火が続く。避難所には千人以上が身を寄せている。会話は14年前の東日本大震災にも向く。「あの時は高台で家が無事だったが」「全壊した自宅を建て直し、借金がまだ」「津波のない場所に移ったのに」。炎と煙の恐怖が津波のように押し寄せる。


 昨日のニュースでは、焼失面積は1800ヘクタール以上、1896世帯、4596人への避難指示が出されており、鎮火のめどはたっていないとの報道がなされていました。私たちが当たり前の日常を送っているときにも、山火事の恐怖や不安にさいなまれ、避難され不自由な生活を送られている人たちがいる。14年前の東日本大震災で地震と津波による大きな被害を受けた大船渡市。今度は山火事…。絶望感でいっぱいの方々もおられます。ひとりごとで何度も取り上げてきた、自然災害。いろいろなところで地震、津波、大雨、台風、山火事など、毎年のように被害が出ています。決して他人事ではなく、いつ自分の身に起きてもおかしくない災害。準備や備えを…と言いながらも、自然の猛威には勝てない現実もあります。今、こうしているときも、厳しい状況の中で消火作業にあたられている方々に敬意を表しながら、大船渡市の山火事が一刻も早い鎮火となるよう願いたいと思います。

 やはり、平穏な日常は当たり前ではない。私たちは、たくさんの“おかげ”で生きている。そして“当たり前”ではなく“感謝”の気持ちを忘れず、一日一日を大切にして生活しなければと改めて思います。