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【2月28日】返謝

公開日
2025/02/28
更新日
2025/02/28

校長のひとりごと

 月刊朝礼編集部の『月刊朝礼が本気で考えた朝礼ネタ』の「もらった思いやりは『命のおにぎり』にして次の人に手渡そう」からです。


 記録的な大雪となった2014年2月16日、福島県の国道で、長時間にわたる渋滞が起こりました。それを見て、「何も食べていないのではないか」と、車内の人たちを気遣った近所の住民が、おにぎり約300個を、1メートルの積雪をかき分け配ったのです。

 それは、原発事故で仮設住宅に避難していた飯舘村(いいたてむら)の人たちでした。支援のために送られた米を集会所で炊き、のりや梅干しを持ちよりつくったのです。

 車内には糖尿病のドライバーもおり、空腹で意識を失いかけていたところを、「おにぎりで生命を救われた」と感謝したことから「命のおにぎり」と新聞で報じられました。

 飯舘村の人たちは、「震災後、たくさん受けた支援に、ほんの少し恩返しできた」と語っています。

 その後、この話は小学校の道徳教科書に掲載され、紙芝居にもなりました。心温まる物語は、これからも多くの人に語り継がれていくことでしょう。

 誰かにもらった親切や善意は、他の誰かに返しましょう。思いやりの連鎖が、幸せな社会を築くことに繋がるのです。


 「報恩謝徳」や「報恩感謝」などの言葉を聞かれたことがあるかもしれません。これらの言葉は、「受けた恩義や徳に対して感謝の気持ちをもち、見合ったお返しをすること、またはその恩に報おうとすること」という意味になります。

 また、北川八郎さんという方の著書『繁栄の法則』には、「ありがたいと思ったら必ず返すことです。同じ喜びを人に与える。やさしさや知恵や助けをもらったら必ず返すことです。私は『返謝で感謝が完成する』と思っています。「ありがとうを言ってもらう側に立つ」ほうが難しいのです。そこに立つとあなたは輝き始めることでしょう」と書いておられます。

 「命のおにぎり」のことも、まさにこの「返謝」であり「報恩謝徳」なのではないかと思います。私たちは、たくさんの方々のおかげで生かされています。たくさんの配慮や気配り、支援、支えの中で生活しています。そのことを決して“あたりまえ”と思うことなく、しっかりと心で受け止め“感謝”できる人でありたいと思います。そして、その感謝の気持ちはきちんと“ありがとう”の言葉にして伝え、そしてまたその“感謝”を誰かに“返謝”として返していく。その循環が、たくんさんの人々を笑顔にし、幸せにしていくのだと思います。返謝が自然にできる人でありたいと思います…