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【5月9日】いのち

公開日
2025/05/09
更新日
2025/05/09

校長のひとりごと

 5月5日付、日本教育新聞の『こころに響く校長講話』に、元校長先生で現 新潟市立中央図書館指導主事の金古淳嗣さんの言葉が載っていましたので紹介します。


 これは、「いのちの授業」という本です。この本を書いた医学博士の日野原重明さんは、10歳の子どもたちを対象とした「いのちの授業」を行ってきました。その授業で、日野原さんは、子どもたちに「いのちとは、なんでしょうか」と問いかけます。子どもたちは、心臓や頭、体全体などと答えます。皆さんなら、何と答えるでしょうか。

 日野原さんは、子どもたちに伝えます。「いのちとは、あなたが使える時間のことです」と。この言葉から、私は時間を大切にするとは、自分の命を大切にすることであると学びました。また、日野原さんは、時間の使い方に関して、「自分の持ち時間をどのように使っていますか」と問いかけ、次のような例を示します。

 朝起きて、ごはんを食べて学校へ行く。学習したり、給食を食べたりする。家に帰って宿題をしたり、ゲームをしたりする。夕食後、テレビを見たり、本を読んだりして眠る。

 これを見て、何か気付くことはありませんか。そうです。一日のほとんどの時間を自分のために使っているのです。時間を大切にするとは、自分のためだけに時間を使うのではなく、自分以外の人のために時間を使うことでもあります。日野原さんは、時間の使い方を自分で決められる大人になることを「自立」と呼んでいます。

 長い休みに入ると、自由に使える時間が多くなります。その時間を自分のためだけでなく、家族のため、周りの人のために使ってみませんか。そして、「やりたいこと」と「やらなければならないこと」とのバランスを考えて行動してみませんか。それが、皆さんを一段と成長させます。…(後略)…


 「いのちとは?」

 皆さんならどう答えますか。調べてみればいろいろと出てきます。

・生きている状態や生命そのもの

・科学的には、代謝、成長、反応、繁殖などの特性を持つ有機体

・哲学的には、「何のために存在するのか」「なぜ人は生きるのか」といった存在の意味を探るためのテーマであり、単なる物質の集まりではなく意識や自己認識、魂

・宗教的には、神や宇宙の意志によって与えられた尊いもの

 「“いのち”を明確に説明しなさい」という問いにはなかなか答えることはできませんが、私が「いのち」の話をするときは、「いのちとはかけがえのないもの」「いのちとは奇跡」。だから、自分の命も人の命も大切にしなさい。そして、そのかけがえのないいのちを大切にすることは、一生懸命に生きることだ…と言っています。

 今、子どもたちは体育祭の成功へ向けて「いのち」をいっぱいに使って頑張っています。「いのち」いっぱいに声を出し、「いのち」いっぱいに走り、「いのち」いっぱいに練習に取り組む。その成果を来週の体育祭本番に発揮する。そして「いのち」いっぱいに頑張ることで人は成長する…そう思います。

 皆さんは、どう思いますか?


(ひとりごと 第1012号)