学校日記

学校通信 平野の風 第4号

公開日
2018/07/25
更新日
2018/07/25

お知らせ

自分にとって大切な人の生命を守るということ
〜朝倉豪雨災害から一年、被災地、杷木中校長先生の講話から学ぶこと〜

 一年前の平成29年7月5日、北部九州(朝倉)豪雨災害により、40名の人命が失われ、未だ2名が行方不明のままです。そして、被災地で、その追悼の催しが行われた翌日、平成30年7月6日から西日本各地を襲った豪雨で、再び甚大な災害となり、2百名を超える死者と行方不明者が出ています。災害で亡くなられた皆さまへの哀悼の意と、被災地の復旧・復興を祈って心から黙祷を捧げます。
 被災地、朝倉市立杷木中学校の校長、白水克実先生を招いて、生命尊重学習会として講演をしていただきました。豪雨当日の情報収集も困難な学校で過ごした不安な状況、翌日の目を覆いたくなるような凄まじい被害の状況、被災後の混乱した状況や対応の様子など、メディアの報道や映像だけでは私たちが到底知ることができない、身近で起きていた事実や、当事者の心の内、人と人とのふれ合いや繋がりなど、被災した当事者の偽りのない「生」の声として聴かせていただきました。地域の皆さんと命が助かったことを泣きながら抱き合って感謝し合ったこと。杷木中の生徒が自宅からすぐ側の友達の家にいて自宅に戻ろうとすると、目の前の濁流で自宅もろとも祖父母が流されてしまっていたこと。学校が避難所になり、自分の家族の安否や健康が心配な中、自宅に何日も帰らずに避難所運営に携わっていた学校の先生への温かいねぎらいの言葉かけのこと。被災後、初めて全校生徒が登校した日に、生徒たちが笑顔で再会を歓び生きていることを確かめ合ったこと。復興支援ボランティアとして地震で被災された熊本益城町から毎週来られる老夫婦のこと。杷木中の復興を支援した、平野中も含め各地の中学校からの義援金や励ましのメッセージへのお礼と感謝の気持ち。そして、最後に、最も被害が大きかった地区、松末小学校の当時5・6年生と教師の作詞・作曲による合唱「いつも心に」のDVD「「想い」を歌声にのせて」を聴かせていただきました。被災前の美しい自分たちのふるさとの情景を目に浮かべながら、復興に向けての確かな志を決意する素晴らしい歌声に心打たれました。
 杷木中の校長先生は、「朝倉市の小中学生は一人も犠牲になって亡くならなかった。だからこそ、こうして話ができる。」そして、「命はとても大切。そして命は重い。けれど、命はもろい。あっけない。だから・・・日常を大切にし、日常があることに感謝すること。」「命とは、自分自身が使えるもの。自分だけがもっている時間」と話されました。
 先日、朝倉豪雨災害で亡くなった皆さんを追悼する新聞記事で、朝倉市に出産のため里帰りしていた娘さんと幼いお孫さん、娘さんのお腹の中の2人目のお孫さん、そして奥さんを亡くされた被災者のコメントが紹介されていました。「どんなときも必ず守ってやると約束していた娘を守ってやることができなかった。」「遺体となって発見された時、娘が孫をかばうように抱きかかえ、妻が娘と孫の上に覆い被さっていて、孫の顔には傷一つなかったと聞いた。」「「失ったものも大きいけれど、負けてはいられない。」の言葉に励まされ、「私たちの分まで、お父さんしっかり生きて」という亡き娘の声が聞こえる。」とありました。読みながら、涙で文字がかすんで見えなくなってしまいました。実は私の娘にも「どんなときもおまえを守る。どんなことがあってもおまえの味方。」と幼いころからいつも話をしていました。そのこととも重なって・・・。
「自分にとって大切な人の生命を守るということ」、いつどんなことが起きるか誰にも予測できないけれど、人の力ではどうしようもないこともあるけれど、全力で心を込めて守ろうとすれば「守れる生命」、日頃から学び備えておけば「守れた生命」、手を差しのべれば「助かる生命」、励まし合い力を合わせれば「守れるはずの生命」も必ずあると思っています。「自分にとって大切な人の生命を守るということ」はそういうことだと思います。

—生徒会の皆さん、あいさつ運動 ありがとうございました!−

 本校の本年度重点目標の一つに、「礼」を重んじ、ひたむきに実践できる生徒の育成を掲げています。生徒会のメンバーは、この一学期毎日校門前に立ち、登校してくる仲間にあいさつと思いやりの心を送り続けてくれました。ありがとうございます。

地域・保護者の皆様へ
  −HBC地域連携防災訓練実施に関するお願い−
 本年度も、8月21日(火)に、生徒の安全確保を迅速かつ組織的に進めるために、コミュニティスクールの機能を生かした防災訓練を実施いたします。つきましては、避難場所となる区長様をはじめ地域の皆様にもご支援をしていただきます。暑い中ではございますが、よろしくお願いします。