学校日記

【9月15日】エンドルフィン

公開日
2021/09/15
更新日
2021/09/15

Kのつぶやき

 昨日の新聞に「昨年11月、当時小学校6年生が、タブレットのチャット機能で悪口を送信されるなどが原因で、自ら命を絶っていた」ことが載っていました。詳しい事情や背景はわかりませんが、便利なはずのタブレットが、痛ましい事件につながっていることを本当に悲しく思います。以前から、SNS上での誹謗中傷や差別的な言葉により自ら命を絶ったという事案が何度もありました。たった一つのかけがえのない「命」は決してかえってくることはありません。そのときに後悔しても遅いのです。
 たとえ命を絶つとまではいかなくても、心に深い傷を負った人はたくさんいると思います。学校にも、時々LINEなどのSNSの問題について保護者の方から相談があり、事情を聞いたり指導をしたりすることがあります。しかし、非常に見えにくく、指導がしずらいのも現状です。先日のひとりごとでも「言葉は“力”にも“刃”にもなる」ことを述べましたが、一人一人が言葉の重さを考えること、そして何より、相手意識をもった優しい気持ちで過ごしていくことを心がけることが大切なのだと思います。
 樺沢紫苑さん著『行動最適化大全』という本に次のようなことが載っています。

 悪口は不幸になる呪文といっていいでしょう。
 「幸せではない」という人は、間違いなく悪口、批判、ネガティブな言葉が多いのです。あなたは、「幸せでないから悪口が出る」と思っているかもしれませんが、因果関係は逆で悪口を言うから、不幸せになるのです。
 まず、悪口は脳と身体にダメージを与えます。「悪口はストレス発散になる」と思っている人が多いのですが、脳科学的にいうと間違いです。悪口を言うほど、ストレスは増えるのです。悪口や批判が多い人は、そうでない人よりも認知症になる確率が3倍も高い。また、悪口を言うとストレスが増え、免疫力を低下させ、約5歳も寿命を縮めることが報告されています。
 悪口を言うと、ストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールの分泌が過多になり、身体の免疫力を低下させ、様々な病気の原因をつくります。また、コミュニケーションや人間関係も悪化させます。陰口でも同じことです。・・・悪口を言うことは、悪いところ探しのトレーニングにもなり、その能力は自分に対しても発動します。無意識に自分のネガティブな点を探し、不安になり落ち込み、自分を責めてしまう。自己肯定感は下がり、どんどん幸せから遠ざかるのです。・・・(後略)・・・

 人間ですから、時には、愚痴を言ったり不平不満を言ったりすると思います。時には、人のことが憎らしくなったりすることもあるでしょう。(未熟な私はよくあります・・・)
 しかし、そんな自分も認めつつ、前向きに生きていくことが大切なのだと思います。この本に書かれているそれを改善する言葉、それが「ありがとう」なのです。
『“ありがとう”は魔法の言葉です。“ありがとう”と言うだけで、オキシトシン(愛情・幸せホルモン)が分泌するだけでなく、言った人にも言われる側にも、エンドルフィンが分泌します。エンドルフィンは、モルヒネの6倍以上の鎮痛効果を持つ脳内麻薬、究極の幸福物質です。“ありがとう”と言われた相手は、脳科学的にも「ものすごく幸せな気持ちになる」ということです』

 やはり、身の回りの様々なことを“当たり前”と思わず感謝の気持ちをもつこと、そしてそれを言葉にして“ありがとう”ということが、私たち人間にとって、心にも体にもいいことがわかります。
 ぜひ、ご家庭でも「命の大切さ」はもちろんのこと、「言葉の大切さ」「タブレットやスマホなどとの正しい向き合い方」そして、「感謝すること」や「“ありがとう”の言葉の素晴らしさ」を伝えていただければと思います。