学校日記

【11月27日】被害を最小にするために…

公開日
2021/11/27
更新日
2021/11/27

Kのつぶやき

 今日は、「大野城市民総ぐるみ防災訓練」の日でした。これは、「災害が発生したときなどに被害を最小限に抑えるため、生命・身体を守る適切な避難行動がとれるよう、市内全ての公民館・コミュニティセンター・小中学校などで、同じ日・同じ時間に一斉に行う総合的な防災訓練」です。本来は、学校にも地域の方や保護者の方も来校されて一緒に訓練をする場面も想定されていましたが、コロナ禍ということでそれぞれの学校・施設等での訓練が基本となっています。
 御陵中の子どもたちは、真剣に話を聞き、真面目に訓練に取り組むことができました。地震をはじめとする自然災害は、いつ、どこで起きるかわからない、起きるかもしれないと考え、訓練や事前の準備等をしっかりとしながら、「防災・減災」を実現できるようにすることが大切です。そして緊急時、まずは「自助」、そして「共助」の気持ちで行動することが非常に重要になってきます。災害が起きれば、復旧や復興は長期に渡ることにもなります。そのときには、中学生も地域の担い手として活躍できるようになってほしいと思っています。
 私たちは、どこかで「うちは大丈夫なんじゃないか」「大野城市ではそんなことは起きないのではないか」と安易に思ってしまうこともあります。
 2016年4月、大きな被害を出した「熊本地震」も、「まさか熊本であんなに大きな地震が…」でした。当時、熊本大学4年生で地震発生のときに学内にいた方は、次のようなことを語られています。

 揺れ始めは強い風かなと思っていたら次第に大きな揺れとなり、ただただ恐怖しかありませんでした。それから同じ学生委員会の人たちみんなで大学の体育館に避難しましたが、約2日後また大きな地震に遭うことになります。電気が消え、逃げようとしても立っていられず、座って揺れが収まるのを待つしかありませんでした。それから真夜中でしたが運動場に避難し、その日は眠ることさえままなりませんでした。地震後には家周辺の建物が崩れていたり、通れない道があったり、以前とは違った環境になっていることに驚きと恐怖を感じました。余震が続き、周りの友達地元へ帰省していく中、地元が遠く、帰省できず1人で家に居ることが出来なかった私は大学の体育館に約1カ月間避難して過ごしていました。
 その中で私はたくさんの事を学び、感じることになりました。初めに困ったことは携帯の充電です。連絡手段や情報源は携帯しかありませんでした。NEWSを見て心配してくれた遠隔の友達や家族から連絡が来ましたが、限られた充電の中では全員に連絡を返すことは難しい状態にありました。災害に遭うことを考えたことがなかった私は、このような状態の時に誰にどのような連絡をするのか分からなかったことや、情報を得たいがために携帯の充電を浪費してしまいました。情報をどこから得るのか事前に考えておくことや、誰にどのような連絡をすべきなのかを考えておくべきだと感じました。そして、体育館ではたくさんの人の助け合いがありました。飲食物の配給や夜間警備、小さな子と遊ぶことなどで学生が手伝いを行っている様子を見たり、自分も実際に行ったりすることで自分にしか余裕がなかった気持ちにも変化がありました。
 このような災害に遭わないことが一番良い事ではあると思いますが、またいつこのような被害に遭うかは分かりません。災害に遭うことをイメージできないという気持ちも私自身そうだったのでよく分かります。しかし、何かあった際に必要最小限のものリュックに入れておくだけでも違います。私は常にポータブルの充電器は必ず入れるようにしています。また、コンタクトなど普段の生活で必要なものは必ず入れています。自分の周りに知っている人が居たから大丈夫だったものの、何かあった時にどこに避難すればいいのかや何が必要なのか考えたことがなかったため、あの時一人だったらと考えるととても恐ろしいです。防災バックなどの準備も必要ではあると思いますが、今自分が災害に遭ったらどのような行動をするのか考えてみることも、防災に繋がる一歩ではないかなと思っています。

 東日本大震災以降も次々に起こる様々な災害を考えると、「まさか」と思うことはどこでも起こりうるということだと思います。起こるかもしれないと思って、できる限りの「準備」をしておくことがいかに大切であるか、この方の文章からわかります。
 各ご家庭でもぜひ今日を機に、「防災」についてのお話をしていただけたらと思います。たとえば、災害時は、家族それぞれに違う場所にいることも多いので、その場合にはどこに集まるのか、どのように連絡をとっていくのか、さらには家具の固定や避難グッズの準備などについてご確認いただければと思います。
(※写真は、上:学級でのオリエンテーション、下:地震警報時の生徒の安全行動)