学校日記

【2月1日】精一杯生きる

公開日
2023/02/01
更新日
2023/02/01

つぶやき

 今日は、公立高校推薦入試及び博多青松高校一期試験を受検する子どもたちの面接指導をさせていただきました。緊張しながらも、一生懸命に自分の思いや考えを話してくれる子どもたちに心打たれました。私もそんな素敵な子どもたちに思いを込めて、子どもたちがもっている「よさ」が面接官の先生方にもっと伝わるようにと、アドバイスをさせていただきました。あと1週間ほどしかありませんが、しっかり練習して本番に臨んでほしいと思います。

 さて、今朝の西日本新聞に鹿児島で高校の先生をされていた安島みさきさんのことが自筆の「闘魂」という力強い立派な字とともに載っていました。

 生きたい、もっと生きたい…。そんな心の叫びを感じさせる、太く、濃い墨痕。書家、安島みゆきさん(享年29)。亡くなる2週間前、鹿児島大病院のベッドの上でつづった「闘魂」が絶筆となった。
 鹿児島県出水市に生まれ、5歳で書を始める。高校の書道部では全国大会にも出場し、福岡教育大学で書道を専攻した。郷里鹿児島の高校で書道と国語を教えるようになって6年目、2ヶ所目の勤務地で体調が悪化。急性骨髄性白血病と分かった。治らない病気ではなくなってきている。難治性との診断結果にも諦めず、出たばかりの新しい抗がん剤の投与を担当医に願い出た。だが、効果は見られなかった。
 病床で筆を手にしたのは、緩和ケアの医師から「書いてくれないか」と声をかけられたのがきっかけ。その医師も病気と闘っていた。贈る書に闘魂の2文字を選んだ理由を、母たつえさん(58)はこう考える。
「『患者として先生も私も闘っている、頑張っている』という気持ちを表現したのだと思う」
 ベッドのそばで、墨をすりながら見守った姉かおりさん(32)。共に書を習い、進学先も、教員という職業も同じ「仲間」だった。「もう書けないかもしれない、というのはあったかもしれない。でも、本人はまだまだ書くつもりだった」。食事もあまりできなくなる中、筆をたたき付けるような力強い所作に、底知れぬ熱意を感じた。
 両親と姉弟にみとられながら2021年9月11日に亡くなった。年が明けて開かれた新春の書展。姉のかおりさんは、出品した妹の遺作の隣に、対となるよう自分の作品「精一杯生きる」を添えた。生きていることが当たり前ではない。「悔いなく生き抜く大切さを妹に気付かされた」…(後略)…

 誰かが亡くなったとき、身近な方を亡くしたとき、人は「死」というものを真剣に考えることがあります。命には限りがあることを改めて知ります。それはいつ訪れるかは誰にも分かりません。そして、命あること、生きていることは当たり前ではないと感じます。
 かけがえのないたった一つの命、与えていただいて大切な命。いつ限りが訪れるかわからない奇跡の命を大切にすることがいかに大切か。そして、多くの人の「おかげ」で生かされていることを私たちは心にしっかりと留めておかなければなりません。命を大切にすること、それはやはり、記事にも書かれていたお姉さんの書「精一杯生きる」ことだと私も思います。
 今日、面接指導しながら、子どもたちの精一杯を見て、「生きてるって素晴らしい」「命って素晴らしい」と思いました。だから、子どもたちに伝えました。
「入試や面接というものは、やっぱり緊張するかもしれない。でもね、ぜひ、その“舞台”に立てることを幸せに感じて、失敗を恐れず思い切り自分を表現してほしいと思います。あなたたちは皆、すばらしいから。マスクで顔の半分は見えないけど、目をキラキラと輝かせて、笑顔で堂々とチャレンジしてきてください。期待しています」
 子どもたちは、目をキラキラと輝かせてうなづいてくれました。「生きてるって素晴らしい」「一生懸命はかっこいい」ということを子どもたちが思えるように、私たち大人も生き生きと毎日を精一杯頑張らなければと思いました。