【9月26日】学び続ける
- 公開日
- 2025/09/26
- 更新日
- 2025/09/26
校長のひとりごと
9月22日付、日本教育新聞のコラム『不易流行』からです。
偏差値を追放し、「行ける学校」から「行きたい学校」へと進路指導を転換した次期があった。「やりたいこと」を見いだし、進学や就職へとつなげる指導である。しかし、「行きたい学校」に入学するためには「行きたい学校」を「行ける学校」にする努力が必要であった。
大学全入時代を迎え「行きたい学校」に入学することが容易になった。ところが、「行きたい学校」を見つけることができない生徒が増えた。人工知能が発達し、変化の激しい時代となり、今ある職業が10年後に存在する保証はない。先が見えないのだから、生徒たちが「なりたい職業」や「行きたい学校」を見つけることができないのは当然であろう。
キャリア教育の転換期にいる。「どう生きたいか」「どんな自分でありたいか」を追求する中で、人生設計を考えることが重要になった。何者かに「なりたい」から、こう「ありたい」へと、キャリア教育を転換する時期に突入した。学校や教師にはどんな努力が必要か。彼岸の時期にいる。さまざまな激動の時代を生きたご先祖さまたち価値観転換の体験を聴くことができたら、見えてくるものがあるかもしれない。先が見えない時代を生きる秘訣を教えてもらえるかもしれない。諸行無常。変化し続けることは希望である。若者たちはいつも希望である。
以前は、子どもたちに「将来、何になりたいですか?」「何の職業に就きたいですか?」ということをよく聞いていました。今は「どんな人でありたいですか?」「どんな生き方をしたいですか?」ということが大事になっています。コラムにもあるように、これだけ変化の激しい時代、目の前の職業になりたいと単に思っていても本当に10年後にはなくなる職業もあるでしょう。今もそうであるように、これからも新たな仕事がたくさん生まれてくることだと思います。だからこそ、どんな仕事に就きたいかよりも、どんな大人になりたいか、どんな生き方をしていきたいかを問うべきであろうし、そのためにも単なる目に見える学力だけでなく先日もお伝えした「非認知能力」「社会性」「人間性」「人間力」が大事になってくるのだと思います。ですから学校では「自己理解」を促す授業、「にんげん学」「夢講座」や「職業講話」「職場体験」などを通して、多様な人生モデル、生き方を知る機会を提供しています。また、すべての授業の中で、単に「正解」を見つけさせるだけでなく、「探究的な学習」を仕組むことで、自ら課題を見つけ、他と協働し、様々な方法で解決していこうとする力を身につけさせること、「納得解」を見つけさせることにも取り組んでいます。
「これからの社会で求められる人間とは?」と聞かれれば様々あると思います。
例えば「学び続ける力と適応力」「多様な人と協働できるコミュニケーション力」、私が示す学校経営要綱の中でも述べている「レジリエンス(回復性、精神的回復力、失敗しても立ち上がる力)」「専門性と汎用性(はんようせい:専門性を持ちつつ異なる分野に生かしたり広い視野で物事を捉え多角的に考えたりする力)」、そして「AIやテクノロジーを使いこなす力」などがあげられます。
大野東中学校では、少しでもそんな力につながっていくような授業や活動を、これからも仕組んでいきたいと思います。そのためにも、私たちが学び続けなければと思います。
(ひとりごと第1081号)