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【10月2日】魔法の言葉

公開日
2025/10/02
更新日
2025/10/02

校長のひとりごと

 今朝の西日本新聞の読者投稿欄『こだま』に、私が生まれ育った小郡市の中野優子さんという方の「魔法の言葉は『ありがとう』」という投稿が載っていました。


 娘が学校で覚えた「ありがとうの花」という歌が大好きで何度も聴きたくなる。

「ありがとうっていったら みんながわらってる そのかおがうれしくて なんどもありがとう」

 娘の優しい澄んだ声で聴くと、私の心に優しく温かい気持ちが染み渡っていく。「ありがとう」は魔法の言葉だ。言った方も言われた方も笑顔になり、うれしくなる。誰かに何かをしてもらった時、励ましの言葉をもらった時、気持ちを聞いてくれた時、さまざまな場面で日常には「ありがとう」があふれている。それなのに当たり前すぎて声に出さないことが多い。朝ドラのせりふに「思ったことを言わないのは思っていないことと同じ」というせりふがあった。まさにその通りだと思う。声に出して言わなければ、相手には伝わらない。これからは「ごめんね」の代わりにも「ありがとう」と言おう。

「まちじゅうに さいてる ありがとうの花 かぜにふかれ あしたにとんでいく」

「ありがとうの花がさくよ みんながわらってるよ」

 娘と一緒に歌いながら幸せな気持ちになった。


 読みながら、とても共感しましたので、載せました。掲載している写真は、私が作成した校長室の掲示物(廊下にも掲示)です。私も感謝の気持ちは言葉にすることが大切だと常々思っていますので…。

 以前のひとりごとにも載せたことがあると思うのですが、「感謝」という言葉は、「感」と「謝」という二つの言葉から成り立っています。

 「感」は、「深く心が動くこと、心が揺さぶられること、感動」を意味しています。「謝」には「わびる(謝罪)」という意味合いもありますが、古代中国語などでは「礼を言う」という意味もあるそうです。漢字の成り立ちからも「言(言葉)」と「射(矢を放つ)」で構成されていることから「心で感じたことを言葉という矢にして外に放つ(発する)」、すなわち「気持ちを言葉にして伝えること」を意味しているといわれます。

 したがって、「感謝」とは、物事に接して心が深く動き(感)、その気持ちを言葉にして伝える(謝)こととなります。

 そして、感謝を伝える言葉である「ありがとう」は、もともと「有り難し(有ることが難しい)」が変化した言葉で、「めったにないこと」「貴重で尊いこと」を意味します。ですから、尊いこと、感動したこと、そして感謝の気持ちを表す言葉が「ありがとう」だということになります。

 つまり、「感謝」とは、単に「お礼」を言うだけではなく、「その出来事や相手の行為が、めったにないほど貴重で、尊く、ありがたいことだと深く感じ、そのことを心をこめて、『ありがとう』という言葉で伝える」ことだと私は思います。

 身の回りに、社会全体に、世界中に、「ありがとう」が広がっていけば、もっとみんなが幸せな気持ちに、そして、「ありがとうの花」が咲く平和な世界になっていくのだと思います。


(ひとりごと第1085号)