【10月23日】すぐに調べる
- 公開日
- 2025/10/23
- 更新日
- 2025/10/23
校長のひとりごと
昨日に引き続き、作家で写真家の有川真由美さんの著書『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』の「興味をもったことはすぐに調べる」からです。
ある男子大学生が食事中に、メニューを見てこんなことを尋ねてきました。
「グラッパってどんなお酒ですか?」
「さあ。私はお酒のことは無知なので……」
「(スマホで調べて)あー、イタリアの蒸留酒なんだ(と満足そうな顔)」
「すぐに調べるっていいね。いつもそうやって調べるの?」
「はい、気になっちゃうんで。役に立たない無駄な知識ばかりが増えてますけど」
彼は苦笑いしていましたが、そんな無駄と思えることに興味をもつクセ、それを知ろうとするクセは、すばらしいと思ったのです。
多くの人は、仕事や試験勉強や、英単語を覚えるといった目的がある知識は求めようとしますが、たまたま出逢った知らないことは、ついそのまま放置してしまいます。でも、「知らなかったことが、わかるようになる」という“快感”は、人間の純粋な喜びです。求めれば求めるほど、「なるほど、そういうことか!」「へー、おもしろい!」という快感で満たされていきます。
子どもが「なんで? どうして?」と好奇心でいっぱいなように、私たち大人も、街を歩いているとき、テレビを観ているとき、人と話しているとき、「これってなに?」「どういう意味?」「なんでこうなの?」という疑問がわいてくるはずです。調べるだけでなく、自分で考えたほうがいいこと、人に聞いたほうがいいことなど解決方法はいろいろあるし、答えが出ないこともあるかもしれません。大切なのは、好奇心を持ち続けること。求め続けること。すぐに調べるクセは、毎日の生活、人生を豊かにしてくれるはずです。
スマホやタブレットの登場、生成AIの登場によって、いつでもどこでも簡単に調べることができるようになりました。私が、ひとりごとを作成しているときも、知らないこと、わからないことがたくさんありますから、毎日何かしら調べて「へ~、そんな意味かぁ」「なるほど、そんな場所があるのか…」「そんな考え方があるのか」とか思うことばかりです。そして、そのおかげで、人に話すときの話題が増えたり、雑談が多少豊かなものになっているのかもしれません。もちろん、フェイクニュースや間違った情報もあるので取捨選択しながら慎重に対応しなければとは思っています。
「なぜ?」「どうして?」…これが学びの原点です。その中で見たり聞いたり調べたりしながら、学びにつながっていく。もちろん単なる知識を身につけるだけでなく、それが生き方や人との関わり方や積極的なコミュニケーションにつながったり、社会のため、世界のためになる研究や仕事につながったりしていくことになるかもしれません。
[ひとりごと 第1099号]