【10月29日】青空の下で
- 公開日
- 2025/10/29
- 更新日
- 2025/10/29
校長のひとりごと
10月20日付の日本教育新聞のコラム『不易流行』からです。
ある小学校の学校運営協議会。擦り傷を保護者に連絡しなかったところ、クレームを寄せられたという報告があった。昭和の子どもだった委員である町会長は、「昔は赤チン塗っておしまいでしたよ」と語った。保護者対応に神経を使う、学校の現状だ。この場で養護教諭は、昔に比べて小さなけがが増えているという報告。コロナ禍や熱中症予防のため、外で身体を動かす遊びが減ったことも一因だろう。
全国各地で、プールの老朽化等に伴って水泳学習の見直しをする動きがある。紫雲丸事故をきっかけに水泳学習が導入されるようになった。教員たちの負担は大きいが、命を守るための学習だ。
わが子の学力については保護者の関心が高い。しかし、子どもの身体能力についてはどうだろうか。真っすぐ走れない。ボールの投げ方がぎこちなく遠くに飛ばない。鉄棒を握る力が弱い等々…。デジタル機器は器用に使いこなす現代の子どもたちだが、身体能力を高めることも、必須の「生きる力」である。身体を鍛える大切さを忘れないでほしい。
長かった猛暑が過ぎ、ようやく「暑さ指数」を確認しないで外での活動ができる季節となった。高齢者のフレイル予防が話題となっているが、子どもたちこそ、うろこ雲が浮かぶ青空の下で思い切り走り回り、元気な声を響かせてほしい。
コラムに出てくるフレイルとは、認知機能や社会的つながりを含む心身の機能が低下した状態のことです。言い換えれば、フレイルは健康な状態と介護が必要な状態の中間ということになります。
確かに世の中はデジタル技術の発展により便利になりました。そのことでの恩恵も私たちはたくさん受けています。そして、子どもたちはスマホやタブレットが当たり前にある時代に生まれました。ですからどう使うか、どう向き合うかが大切になっています。
今日私が出席した会議は「福岡県安心・安全なインターネット利用推進連絡会議」というものでした。出席者は、学校(小中高)、電気通信事業者、警察、教育委員会等の方々でした。当然ながら、最近になってできた組織です。その会議では、最初にSNSを介したトラブルや犯罪、闇バイトなどについての講話が警察の方から行われました。そのあと、グループごとの協議がありました。学校と警察を含めた関係機関との連携をいかにしていくのか? 子どもたちの自主性、自立性、道徳心やネットリテラシー等を授業や講演会等を通してどう育てていくのか? そして何より、保護者への啓発と理解をどのようにしていくかが非常に大きな課題であるとの意見が多く出ていました。動画等を含め面白いコンテンツやSNSが無限にあります。ですから、ネット依存に陥ると底のない深い沼にはまったような状態になります。自制するのは最終的には個人です。しかしながら、自制できない状況になる人も多くいて、それが目、首、肩、脳をはじめ身体の様々なところに悪い影響を与え、生活のリズムまで狂わせます。ですから、県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」ができたり、SNSを禁止にしたりしている国もあるのが現状です。
デジタルを上手に活用しつつ、身体を動かしたり鍛えたり、遊んだりスポーツを楽しんだりしながら、心身ともに健康な生活が送れるようにしたいものです
[ひとりごと 第1103号]