【1月20日】いのちを輝かせる
- 公開日
- 2026/01/20
- 更新日
- 2026/01/20
校長のひとりごと
『1日1話、読めば熱くなる365人の人間学の教科書』の「マザー・テレサの信念」(五十嵐薫さん[一般社団法人ピュア・ハート協会理事長])からです。
かつてある新聞記者がマザー・テレサにこんな質問をしたそうです。
「あなたがたったいま死にかけている人を助けて何になるのですか? この人は必ず死ぬのですから、そんなことをしても世の中はかわらないのではないですか」と。
マザー・テレサは毅然(きぜん)としてこう答えられました。
「私たちは社会を変えようとしているのではありません。いま、目の前に飢えている人がいたら、その人の飢えを満たしてあげる。ただそれだけでいいのです。確かに、そのこと自体で世の中は変わらないでしょう。でも、目の前に渇いている人がいれば、その渇きを満たすために私たちはそのいのちに仕えていくのです」
彼女は別の場所ではこうも言っています。
「私たちのやっていることはわずかな一滴を大海に投じているようなものです。ただ、その一滴なくしてこの大海原(おおうなばら)はないのです」。
私たちのレインボー・ホーム(五十嵐氏がインドに設立した孤児たちの家)もそうありたいのです。人は「インドでわずか十人、二十人の親のない子どもたちを助けてどうなるのですか。世界にはもっとたくさんの孤児がいるのに」と言うかもしれません。
しかし、目の前で「寂しい」と泣いている子どもたちがいるのです。それは私たちにとってかけがえのないいのちであり、自分自身なのです。そのいのちをそっと抱きしめてあげるだけでよいのです。
ボランティアとは、自発的に無償で他に奉仕することを意味するのですが、その奥には「人間は他のいのちに仕えるとき、自分のいのちが輝く」という、生命の法則を実践で知ることに意味があると思います。
マザー・テレサという名前はほとんどの方がご存じだろうと思います。世界でもっとも有名な慈善活動家であり、カトリック協会の聖人です。マザー・テレサは、「貧しい人々の中の、もっとも貧しい人々へ献身」されました。また「神の愛の宣教者会」を設立し、路上で死にかけている人を温かく看とるための施設をつくったり、孤児院を運営したりもしました。それらの長期に渡る功績が認められ、「ノーベル平和賞」も受賞しました。彼女はたくさんの言葉を残しました。いくつか紹介します。
・平和は、ほほ笑みから始まります
・大切なのは、どれだけ多くを与えたかではなく、それを与えることにどれだけ愛を込めたかです
・100人に食べ物を与えることができなくても、まずは1人に与えなさい
・愛の反対は憎しみではなく、無関心です
・この世の最大の不幸は、貧しさや病気ではなく、誰からも必要とされないと感じることです
マザー・テレサを批判する人はもちろんいますが、それでもなお誰もやらなかったことに取り組み続けたこと、世界の「無関心」を揺さぶったこと、「孤独」が最大の貧困であることを指摘したことなど…やはりその功績は非常に大きいものです。
私たちはマザー・テレサのようなことはできません。しかし、目の前の子どもたちに夢や志を持たせ、可能性を広げ、力をつけさせることが使命なのではないかと思います。学校全体、社会全体で変えていかなければならないことはもちろんたくさんありますが、まずは、目の前の子どもたちと真剣に向き合い、精一杯の励ましと支援をし、子どもたちがいきいきと生活し成長していけるように、そして何より「子どもたちのいのちが輝くように」することが私たちにとって最も大切な仕事であると思います。
そのことが、私たちのいのちも輝かせることに繋がるということですね!
(ひとりごと第1149号)