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【10月17日】成功の反対は…

公開日
2024/10/17
更新日
2024/10/17

校長のひとりごと

 松浦弥太郎さんの『即答力』のプロローグから抜粋要約します。少し長いので今日と明日に分けて載せます。


 「成功の反対は失敗ではなく、何もしないということだ」

 この言葉はずいぶん前に僕の心の真ん中に打ち込まれ、長い間、自分を支える梁(はり)のような役目を果たしています。

 あれはアメリカでのこと。十代の終わりに渡米し、二十代のはじめにかけて一人あてなどなく過ごしていた僕は、チャレンジしなければ存在していないのと同じなのだと、体で学ぶことになりました。アメリカという文化の中では、発言しない、何もしないということは、コミットしない(責任をもたない・全力で取り組まない・約束しない…)ということです。しかし、当時の僕はまだ若くて、何も知らないし英語もできない、コミュニケーションのやり方も知らない。そもそも日本的な甘えた感覚しかもっていなかったので、いつも「待ちの態勢」でいました。何かの集まりに参加するなら、誰かに呼ばれないと始まらない、と信じていました。誘ってくれる人をじっと待っていたのです。チャンスが仮にあるなら、ある日誰かがやってきて、手を引っ張ってもらえるはずだと思っていました。アメリカでは、そんな僕を気にかけてくれる人、「どうしたの?」と連れ出してくれる人は、残念ながらいませんでした。…

 あるとき僕は考えました。「自分はなぜこんなふうに、何に対してもコミットできないのか」「チャンスに出会えないし、前に進めない。なぜ次の新しい景色が見えないのか」「自分なりに考え、意見したいこともあるけれど、なぜ発言の場や機会がないのか」…考えて考えて、考えたあげくに、僕はようやく気づきました。アメリカという国では、仕事に限らず、コミュニケーションにおけるさまざまな場面で、たとえていうなら“野球の試合”みたいなものが行われているのだと。その試合には誰でも参加できて、参加する・参加しないは個人の自由。参加するにはただ「やりたい!」と入っていけばいいだけです。…

 僕はやがて、「待ちの態勢」でいた自分の殻を破り、自ら人にかかわり、いろいろなし合いに“参加する”ようになりました。するとアメリカでは、コミュニケーションの一つとして、誰に対しても広くチャンスが与えられるということがわかりました。思いがけない人から「頑張れ」と声をかけられたり、「やってみれば」と勧められたり。それは僕が優秀だったわけでも、運がよかったわけでもないのです。「あなただから」と選ばれるわけでもなく「あなたはダメ」と拒絶されるわけでもない。まず自分から発言し、心を開き、コミットして“試合”に参加する。参加すれば誰にでも声がかかるし、誘われるし、チャンスが巡ってくる、そういう仕組みだったのです。


 「成功の反対は…」という言葉、私も聞いたことがありますし、自分も似たようなことを子どもたちに話をしたりします。「チャレンジしなくて後悔するならチャレンジして失敗するほうがいい。失敗は“成功”へ必ず繋がるし、何より“成長”する糧となる」と。

 実際に松浦さんは、「待ちの姿勢」を変えたことによって、人生が変わり、チャンスが巡ってきたとおっしゃっています。やはり一歩動き出すこと。口で言うだけ…ではなく、考えているけど…ではなく、とにかく踏み出すこと、行動することが大切なのだと思います。行動しなければ何も始まらない。失敗もしないかもしれないけど、成長もない。失敗してもいいから、まずは動く、動こうとすることの大切さを松浦さんは教えてくれています。

 

 16日から私は、盛岡への出張です。少しでも多くのことを学んで帰ってきたいと思います。今、飛行機の中…。いつも思いますが、こんな大きな機体が飛ぶなんて…。こうやって飛行機が飛ぶことも、人間が夢や志をもって、研究し、試行錯誤し、たくさんの失敗を繰り返した先に実現したのです。やはり、やってみなければわからない。信じ続け、粘り強く努力し続けた先にこそ、成功と成長があると改めて思います。